Kent Shiraishi Photo Blog

北海道美瑛町の大自然や身近な写真を、
海外へ配信するArtistの呟き。

ついに世界の「ナショジオ」もHDRを認めた!

2013年05月29日 | フォトエッセイ&フォトアート
ついに世界の「ナショジオ」もHDRを認めた!

ここ最近「ナショジオ」が大きく変わりました。
Webのスタイルも今風になり、
写真を投稿する方が自分のページをきちんと持てるようになりました。

さすが世界の「ナショジオ」は
常に世界中の読者、写真愛好家に向けてアンテナを張っているのが分かります。

そしてついに、
これまで頑なにフィルム時代の表現にこだわってきた「ナショジオ」でしたが、
週間フォトコンテストで「HDR」を使用した作品も認める事になりました!
これは画期的な事で今後はいずれ上のコンテストにも広がっていくでしょう。

そもそも僕は以前から
フィルム時代の「生きた化石の様な発想」
そこから早く脱却すべきである。
そういう持論を持っています。

人によって意見は様々でしょうが、
ここは自分の意見を書くべきブログなので
率直に書かせて頂きますが…

カメラやフィルム等の発達、進化の中で
「人の眼に近づけたい!」
そういう思いは開発者にも写真家にも強くあったはずです。
物撮りの撮影現場などはまさにそれ!

そして私の宿に泊まられた開発技術者の皆様から、
色々お話を伺いますと、
やはりそういう思いや考えの中から、
どんどん新しい技術や製品を生み出してきた訳です。

そんな中、
現在のカメラより遥かに広いダイナミックレンジを持つ我々人間の眼。
その眼にどこまでどうやったら近づけるか?

この難しいテーマへの一つの回答がHDRです。
すなわち
ハイ・ダイナミック・レンジという技術です。

僕はこの技術の初期段階よりテストをしています。
たしかに最初の頃はまだまだお粗末で、
それを使うと逆に不自然に見える。
そういうレベルでした。

今でもそうですが、
アマチュアの皆さんの中には
フィルター機能の一つと考え、
アート作品として絵画調にするために
使用されている方も多いです。
もちろんそれはそれで結構でしょう。

ただ開発者の理想、目指すターゲット、
さらに僕の様に
人の眼で見た情景を限りなく再現したい。
すなわち「Retina Photo」を目指す者達にとっては
妥協は許されず、技術の進化に注目しまた期待もしていました。

最近になり
ようやく「Retina Photo」にも使えるようになってきました。
まだまだソフトの進化にも期待していますが
ここ数年の進歩は著しいものがあります。

そして今回の「ナショジオ」投稿ルールの変更。
あくまでカメラ内で、
HDRを使用した作品創作も認めるという、
限定条件付きですがそれでも画期的です。
いずれは上級コンテストに広がるのは間違いないでしょう。

写真家も
アマチュアはもちろん
そして我々プロフェッショナルこそ、
最先端の技術を使った「傑作」を
将来に向けて残していきたいですね!

技術者・開発者の皆様
いつも夢のある素晴らしいカメラやソフトを作って下さり
本当にありがとうございます!

さらに今後はホワイトバランスの革命的技術に
僕は大いに期待しています。
宜しくお願いします!!!
(#^.^#)

さて、一枚写真を貼付致します。


The Mizusawa Lake - The Evening
Biei,Hokkaido in Japan.
Kent Shiraishi

★みずさわ湖‐夕方
北海道美瑛町

もし無風で完全に十勝連峰が水面に反射しますと
とても美しい灌漑用の湖です。
昨日はそこまで奇麗に反射しませんでしたが
それでも空まで湖面に映り
静かで落ち着いた雰囲気がありました。
美瑛町では誰でも普通に見られる光景です。

また写真の色は僕が肉眼で見ていた色を
可能な限り再現しました。
「Retina Photo」です。

ケント白石

追伸:
Kent Shiraishi Photo Club = KSPCの皆様へ

★The data
Camera = Nikon D800E
Lens = Nikon AF-S VR 70-200mm f2.8
Focal Length = 70mm (撮影焦点距離)
Shutter Speed =1/250 sec
Aperture=f/16 (絞り)
Exposure Compensation = -0.7(露出補正)
ISO = 400 
White Balance = My setting (ホワイトバランスは自分で設定)
AdobeRGB. Raw.
No Tripod (手持ち撮影)

★HDRを使い、
ダイナミックレンジを自分の眼に近づけ、
色はもちろん、自然な明暗と階調表現を創作出来るよう、
撮影時にWBブラケット撮影もしました。

「Retina Photo」を目指すなら
一般のアマチュアの皆さんが使う様な
HDRの使い方ではダメです。
ようするに、
使った事が分かるようではダメで、
それは自然でないという事ですから…。

結果
空と水面の色&諧調も
自分の眼で見た感じに近く
自然に表現出来ました。

大切な事は自分の目標(ターゲット)に向けて
「意識」を高く持って撮影・現像する事だと思います。
頑張って下さい!

さらに追伸:

早速質問が来ました…。

正直に言いまして
僕はこれから遠くに出かけます。
よって全ての質問には答えられませんが、
「ナショジオ」の事はもう少し詳しく書いておきます。

まず「ナショジオ」では
世界中に発行している看板となる雑誌「National Geographic」があり、
次に「National Geographic Traveler」もあります。

世界的フォトコンテストとして、
「National Geographic Photo Contest」がありますが、
近年「National Geographic Traveler Photo Contest」というのも出来まして、
春と秋で2大コンテストになっています。

またそれ以外に週間で選抜されるフォトコンテストで
「Your Shot」というのがあり、
こちらは「ナショジオ」のWebエディターによって毎週選出され、
Web上に掲載され、さらにそこから毎月2、3枚だけ
雑誌「National Geographic」に掲載され世界中に紹介されます。
またここから一日一枚だけ世界中の「ナショジオWeb」で掲載される
「Photo of the Day」の作品も多数選ばれています。

だいたいこれが「ナショジオ」のフォトコンテストです。
今回はこの中の「Your Shot」で初めてHDR作品の投稿が認められました。
これはいずれ2大コンテストにつながっていくでしょう。

改定された「Your Shot Photo Guidelines」のHDRについて書かれた部分を貼っておきます。
HIGH DYNAMIC RANGE (HDR):
These shots are allowed only if the combined parts are made at the same time. Don't submit final images where the foreground was shot at noon and the sky at sunset. If your photo is an HDR image, please indicate this in the caption. (An HDR image is created from multiple images of exactly the same scene, made rapidly but at different exposures, and then combined using digital darkroom techniques. The final image, when done successfully, produces a final image with a greater dynamic range than is possible with a single exposure.)

最後になりましたが、
皆さんの中には「HDR」を間違って認識されている方が多数いるようです。
これはグラフィックや劇画の様な絵画調の作品に多く使用されているためでしょう。

しかし上で書きましたように
本来の開発思想は違うのです。
「人の眼に映る自然なダイナミックレンジの再現」です。
よって今まで以上に「自然」に見えるはずですし、
そう出来るように進化し続けているのです。

上の改定ルールでもダイナミックレンジについて同様に書かれています。

The final image, when done successfully, produces a final image with a greater dynamic range than is possible with a single exposure.

今回の「ナショジオ」のルール改定は
まさにその事を正しく認めたという事だと思いますし、
僕は当然のことだと考えています。

Kent Shiraishi Photography
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