10月14日(土)13:30より岡山日比観音院において「中国人殉難者追悼慰霊祭」を開催した。
戦時中1944年8月、中国の北京市と河北省から中国人133名が岡山県玉野市に強制連行され、三井鉱山日比精錬所で銅鉱運搬等の役務に従事させられた。強制労働中24名が栄養失調等で亡くなり、1名は帰国する船内で亡くなった。その犠牲者の遺骨を岡山県仏教会が探し出し日々観音院に安置し、のちに中国側に返還されるとともに、観音院で毎年慰霊祭が執り行われてきた。
慰霊祭当日は祖国より遺族と中国赤十字社3名を招き執り行われた。駐大阪総領事館、日本赤十字社岡山県支部豊田事務局長、各日中友好協会、華僑総会、さらに中国人留学生、約70名が参加。
追悼慰霊祭では、日比観音院岩崎住職ら6名による法要が厳かに執り行われ、そのあと献花とご詠歌を拝聴。
慰霊祭のあと、3つのテーマで講演を行った。1つ目は、「中国人強制連行と岡山」というテーマでの林伯耀氏の講演。NHKの資料ビデオを見ながら分かりやすく当時のことを説明され、とても良い勉強になった。次に、犠牲者遺族と中国赤十字会代表からお話しがあった。遺族の話では、突然父親がいなくなり、生活にも困り、大変な苦労をしてきたという生々しい話もうかがった。
最後に、岡山に留学し戦後の日中友好に力をそそがれた郭沫若氏の孫で国士舘大学教授 藤田梨那さんが「郭沫若が愛した岡山」というテーマで講演された。郭沫若は岡山六校に留学。日本人女性(看護師)と恋愛し岡山で同棲。恋愛を通して彼の作詩意欲に真剣さが発生した。とのこと。郭沫若は「岡山は第2の故郷」という言葉も残したそうだ。先人の足跡をたどる良い機会であった。
今回の慰霊祭を通し、みなが当時の事を振り返り、ふたたびこのような悲しい出来事を起こさないと決意した。また今回3つの異なるテーマでの講演が参加者にとって新鮮で深みがある内容で良かったとの事。日中友好の為に何ができるのか考えさせられる事業であった。