造船屋の思い出

趣味や歴史に対する意見及び思い出

本日の産経新聞から

2024-05-14 10:30:27 | 日記
西見由章の中国点描で米造船業は崩壊したとした記事が投稿されています。
中国の造船能力は米国の230倍、台湾有事等の戦時には艦艇の新造修理
で中国が米国を圧倒する危機感が高まっているとの事です。
先月末カタール発注のLNG船18隻を中国最大造船の「中国船舶集団」が
受注しました。約9,300億円
日本の三菱、川重のお家芸でもあった高付加価値船が全く受注出来ない時代
になってしまいました。
2022年時点で造船シェアは中国46.6%、韓国29.2%、日本17.3%
米国に至っては0.1%です。

住友重機械工業造船撤退

2024-02-18 09:28:51 | 日記
またまた造船界にとっては悪い話題です。
横須賀追浜にある住友重機械工業横須賀工場が受注残の新造船を建造終了次第新規造船から
撤退すると発表しました。2026年1月で受注残なしとのことです。
艦艇や帆船建造等で風靡した浦賀工場が閉鎖されて久しいですが追浜も造船から撤退とは。
大手造船所と言われていた三井造船、日立造船、住友重機械と3社が造船から撤退。
本当に寂しい限りです。省エネ船やアンモニアガス、LNG機関船等まだ生きる道はありそうですが?
海洋国家であらねばならない日本が造船も海運業もはかばかしくない状態では今後の国家運営に
決して良い状況ではありません。
憂いべく状態です。

三井E&S

2024-01-30 09:42:52 | 日記
三井造船がインドネシア発電所の失敗から大赤字となり、造船から撤退したのが2年前でした。
その後どうなるのか心配でしたが三井E&Sとして舶用ディーゼルエンジンの製造は日本一を
保持していましたが先日の報道によればコンテナークレーンの受注が好況でベトナムから
約30台を受注しており、国内でも数十台受注との事です。
脱炭素の要求から三井E&Sの得意なディーゼル機関はMAN系列であり、難しいかなと思って
いましたが排出炭素低減も実施しており、赤字から黒字に転じたとも報道されました。
売上高は三井造船時代の半減以下ですが。
戦前三井物産造船部として発足した造船老舗が他国の発電所での失敗で、その造船部門から撤退、
ディーゼル機関とコンテナークレーンに活路を求めているのは本当に情けないですが、日立造船
も20数年前日本鋼管と造船部門提携し、ユニバーサル造船として分離撤退、環境設備や産業機械の
会社でしたが、昨年社名のカナデビアと変更し、造船の名称が消えました。
ただ常石造船に吸収された部門と中国の合弁会社YAMICが時々造船部門で三井造船名が出て話題と
なることもあります元一流造船所であった三井造船が消えたことがなんとも残念であり、中国の合弁
会社が活況を呈しているのは複雑な心境です。
日本船主も中国等に発注することが多くなっていることは残念です。
また三菱長崎が客船建造に失敗、大赤字となり、三菱の屋台骨を揺らしたのに、中国の国産初の大型
クルーズ船「アドーラ・マジック・シティ」が昨年11月竣工し、今年1月4日長崎寄港、今後九州を
中心し、頻繁に寄港する予定とは、なんとも皮肉です。

日本造船界の今後

2023-07-02 13:21:58 | 日記
下記の記事が投稿されましたので添付します。
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E3%83%8B%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%81%AE-%E9%80%A0%E8%88%B9-%E3%81%AB%E8%BF%BD%E3%81%84%E9%A2%A8-%E8%A6%8B%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B-%E6%96%B0%E9%80%A0%E8%88%B9%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%A5-%E3%81%AA%E4%B8%96%E7%95%8C-%E3%81%A7%E3%82%82%E3%81%84%E3%81%BE%E3%81%84%E3%81%A1%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%82%AD%E3%83%83%E3%81%A8%E3%81%97%E3%81%AA%E3%81%84%E3%83%AF%E3%82%B1/ar-AA1djq1H?ocid=msedgdhp&pc=U531&cvid=3d3b9656d4eb4c429b7675faebe7e686&ei=13
荷動きが活発になり、また排出ガス規制から造船が拡大していますが
日本造船界はどうなるのでしょうか?
大手造船所はJMUと三菱ですが川崎重工や住友重機械の造船部門がどうなるのか
聞こえてきません。
ONEの24万トンのコンテナ船は今治造船とJMU呉での建造で1番船が先月JMU呉で
竣工しました。
造船受注は中国と韓国に出し抜かれ、日本は置いてきぼりでしょうか?
あまりに不況時代に縮小、人員削減してしまい対応できないこととなったのでしょうか?
外航船の建造は今後拡大することはないのでしょうか?

飽和潜水

2023-04-17 14:53:02 | 日記
先日から陸上自衛隊のヘリコプタ―事故で海上自衛隊の飽和潜水での救助や捜索が話題になっています。
海上自衛隊が潜水艦救助のため、潜水艦救難艦「ちはや」「ちよだ」が搭載しています。
また潜水医学実験隊と言う部隊もあります。40年近く前から取り組んでおり、450mまで実施したと
報道されています。
酸素ヘリウムガスで加圧してその深度の圧力とされます。報道のとおり3名1組でチャンバーの中に入り
加圧され、PTCと呼ばれる潜水球に移り、PTCがガイドワイヤーに沿って海底に下降し、下部ハッチ
を開けて潜水員2名が海中に出て作業します。
106mだとほぼ真っ暗で投光器等で照らして作業となりますが潜水艦救難が任務であり、ヘリコプター
の残骸や遺体を扱うのは大変と思います。
また作業後減圧には大変長い時間が掛かります。減圧を確実に実施しなければ潜水病となり、最悪は
死亡に至ります。
作業中は潜水艦救難艦は1点に留まらなければ潜水員が危険な事となりますのでDPSと呼ばれる保持
装置で艦をスラスターや推進器を使用して保持しています。
先代の潜水艦救難母艦「ちよだ」から三井造船が得意としていた艦種ですが残念ながら三井造船は造船から
撤退してしまいました。
メンテナンスを含め今後三菱マリタイムシステムズが後継となるのでしょうか?