下呂の宿は飛騨川に面していた。
部屋に小さなテラスがある。
そこから川を眺めることができた。
川のすぐ向こうには植林された山。
目の前に流れる川が風景の主役だ。
川幅があり白い石の川原が広がる。
川の水は緩やかな流れに見える。
だが天候次第で表情は急変しそう。
実際に川は度々氾濫したそうだ。
江戸時代の安政期に大きな洪水。
一時は温泉が枯れて寂れたらしい。
大正時代から昭和初期に再興。
復活して現在に至るということだ。
近年では2020年にも川が氾濫。
住宅浸水や道路冠水となった。
目の前の川幅いっぱいの濁流。
想像すると怖ろしい光景だ。
喜怒哀楽、表情を変えつつも。
飛騨川の流れは絶えずして。