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聴刻堂日乗

鏡に向かえ

テレビのニュースを見ている。
男性のアナウンサーが喋っている。
白髪の多い、えらく年配の人だ。

現役のアナウンサー。
ってことは、自分の方が年上か。
軽い衝撃と眩暈を感じた。

これと同じ感覚、以前にもあった。
大学生の夏。テレビの高校野球。
球児達より自分が年上と気付いた時だ。

自分についての認識と実際とのズレ。
自覚というのは常に遅れてくるものか。

「オレはいくつになったんだ?」
自分の齢を聞いて驚く老父を笑えない。

鏡に自分の貌を映して向き合ってみる。
新しい日課が増えそうだ。

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