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聴刻堂日乗

映画「ベナジルに捧げる3つの歌」

映画「ベナジルに捧げる3つの歌」
を観た。

2021年のアフガニスタン映画。
22分の短編ドキュメンタリー。
監督はエリザベス・ミルザエイと
グリスタン・ミルザエイ。

難民キャンプに生きる青年。
結婚して、子どもができる。
ベナジルは奥さんの名前だ。

難民キャンプでは仕事が無い。
小学校3年で亡命したため、読み
書きも十分できず、なおさらだ。

国軍への入隊を希望するが、親族
の反対でそれも叶わない。しかた
なく阿片の原料となるケシの収穫。
やがて中毒となり更生施設へ。

アフガニスタン。
1980年代から混沌としている。
78年クーデターによる社会主義化。
後ろ盾のソ連軍と反乱軍との戦い。
タリバンの台頭。
アメリカの介入。

国家は事実上崩壊。
政権は頻繁に入れ替わる。
テロと貧困に翻弄される人々。

映画では悲惨なシーンが描かれる
わけではない。主人公も全く普通
の、勤勉そうな青年だ。そんな彼
が男児を抱き寄せて力なく微笑む
姿は、あまりに切ない。

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