映画「そして明日は全世界に」
を観た。
2020年製作の独仏合作。
監督・製作・脚本は
ユリア・フォン・ハインツ。
出演はマーラ・エムデほか。
良家の子女の大学生。
親密な女友達に誘われて半ファシ
ストの学生運動に加わる。当初は
"冷やかし"と思われ、周りの関心
も薄かったが、あるデモで果敢な
行動で負傷してから、認められる
ようになる。次第に、より過激な
活動を進んで行うようになり・・・。
不思議に懐かしさを覚えた。
70年代の学生運動を背景にした
青春映画のような感じがした。
右とか左とか思想が重要ではなく、
自分が何者かでありたい、世界で
何事かを成す自分でありたい。
強い想いと、現実の非力な自分。
自立自尊と、孤独に震える自分。
ギャップを抱え、苛立つ姿には、
やはり既視感を覚えてしまうのだ。
青春像を描く作品だが、映像は
あまり明るくない。2020年の
ドイツの失業率は3%程度で統一
後の最低水準に近い。だが、移民
の流入や若者の就職難など数字に
表れない状況があるかもしれない。
どこの国でも若者を描く映画は、
なるべく明るい映像で撮れる世界
であってほしいと思う。