司馬遼太郎の「街道をゆく」。
全43巻の紀行文集だ。
今年から読みはじめることにした。
先の長い楽しみになりそうだ。
第2巻「韓のくに紀行」を読んだ。
知らないことばかりだったから面白かった。
これまで隣国を知る機会が少なかったようだ。
もう少し知る努力しても良いかもしれない。
第2巻は題の通り韓国についての文章だ。
随所に韓国が儒教の文明だと書いてある。
親族の繋がりと長幼の序が極めて重要らしい。
親族では十親等までが濃厚な身内だそうだ。
十親等と言えば、五代遡って、そこから五代
降りてくる全ての人が該当する。それぞれに
配偶者と子供二人がいるとしても千人を超す。
さらに自分の配偶者がいればその倍になる。
長幼の序で言えば、どんな海千山千の実業家
でも父親の前で煙草を吸う人はいないらしい。
年長の親族に対してそんな非礼はしないのだ
そうだ。
そんな年長の親族を大切にする国では、
独りで苦労したりする老人問題なんかは
存在しないのだろうか。高齢化の問題も
親族関係の中で解決されるのだろうか。
儒教の社会について俄かに関心が高まった。
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それにしても、この巻の連載は1971年、
単行本発行は1972年。50年前の文章や。
司馬遼太郎自身が既に歴史になったんやね。