大阪・ミナミで男女2人が刺殺された通り魔事件で、逮捕された礒飛京三容疑者(36)は「5月下旬に新潟刑務所を出所した。
住む家も仕事もなかった」と供述している。出所してからわずか数週間。再犯防止の難しさがあらためて浮かび上がった。
法務省の2011年版犯罪白書によると、成人の再犯者は犯罪総数の28・2%で、殺人事件だと30・6%と、平均を上回る。
また、再犯者の約7割が無職というデータもあり、出所後の雇用が課題となっている。
堺市で昨年12月、元象印マホービン副社長が殺害された事件で、強盗殺人罪などで起訴された西口宗宏被告(50)は、
事件の数カ月前に仮釈放されたが知人女性宅に身を寄せ、仕事はしていなかった。
また千葉県松戸市で09年10月に起きた女子大生殺害事件で強盗殺人罪に問われ、一審で死刑判決を受けた竪山辰美被告(51)=控訴=も、
満期出所して約1カ月後の犯行だった。職も住まいもなく、都内の入浴施設で寝泊まりしていた。
法務省は出所者を雇う意思がある事業主に全国の保護観察所に登録してもらう「協力雇用主」の拡充に力を入れており、
昨年4月までに約9300社の協力を得た。宮城県や兵庫県は協力雇用主に対して公共工事の入札で優遇するなど、独自の対策を進めている。
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2012/06/11/kiji/K20120611003445020