青空のCafétime

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ペアマグカップの遺憾なデビュー

2020-06-19 07:31:09 | Diary

そっと窓を開けると水の匂いがした。灰色の空と雨の音。昨日の予報が当たったらしい。少し寒いのでカーディガンを羽織る。

コーヒーを淹れようとして、お気に入りのサーバーにヒビが入っていたのを思い出す。落としたりどこかにぶつけた覚えはない。昨日の仕事帰りに新しいものを探してこようと思っていたにもかかわらず、すっかり忘れていた。

仕方がない。一度も使ったことのない、高さ二十センチもある大きなマグカップをサーバーの代わりにしよう。

それはレッドとホワイトのトールサイズのペアマグカップで、カップの横に有名なコーヒースタンドのブランドロゴが書いてある。何かのノベルティだったと思う。どのような経緯でわたしの手元にあるのか、全くと言っていいほど覚えていない。

普段使いにするには大きくて重い。使いづらいので、割れてしまったサーバーの代役としてデビューする今日まで、ただのキッチンの飾りになっていた。

ペアなのに一度も出番がないなんて、その紅白カップを見るたびに切ないような情けないようなモヤっとした気分になる。

でもやっぱりマグカップはマグカップだった。とても使いづらい。さっさと新しいサーバーを探してこないと。

そんな金曜日のわたし。

 

 

 

 

 


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