CJC Blog 

クールジャパンクリエイト・ブログ
クリエイティブな情報を配信いたします。
クールジャパンクリエイト株式会社

グーグルに復活賭けるソニー

2010-05-24 | IT
グーグルに復活賭けるソニー

 ソニーはネット家電や携帯端末の開発で米グーグルと提携すると発表した。インターネット経由で映像を楽しめる次世代テレビを開発し今秋にも発売する。音楽や映像のネット配信で先行する米アップルに対抗する狙いで、地盤沈下が続く日本の家電メーカーの巻き返し策といえる。

 両社の計画では、ソニーがグーグルの基本ソフト(OS)をテレビに採用し、動画配信の「ユーチューブ」など様々なグーグルの情報サービスをテレビで利用できるようにする。ソニーはすでに携帯電話でグーグルのOSを使っており、他の家電分野にも広げる戦略だ。

 ソニーがグーグルと組む背景には映像が見られるアップルの多機能携帯端末「iPad(アイパッド)」の登場が見逃せない。ソニーは携帯音楽プレーヤーの市場をアップルに奪われた経験から、映像分野ではグーグルと一緒にネット配信基盤の主導権を握ろうとしている。

 グーグルにとってもソニーとの提携は渡りに船だ。アップルは情報配信から端末開発まで自社で行うが、グーグルには製造部門がない。ソニーと組めば、アップルのような垂直統合型の事業を構築しテレビやゲーム市場にも進出できると考えた。

 実は音楽や映像の情報配信基盤はすでに4つのグループに集約されつつある。独自路線を行くアップル、米マイクロソフトと米ヤフー、フィンランドのノキアと米インテル、それにグーグルだ。日本企業は後じんを拝しており、ソニーは提携によりその一角に入ろうとした。

 ソニーは2010年3月期決算で2期ぶりに黒字化したのを受け、かつての「ウォークマン」のように価格競争に左右されにくい、ソニーらしいユニークな商品作りを復活させようとしている。消費者としても期待されるところである。

 ただ、ネット家電に他社のOSを使うことは、パソコンのOSをマイクロソフトに依存するのに似て、危うい面もある。提携によって主導権をグーグルに奪われれば、かえって収益性を損なう恐れもあろう。

 今回の提携は評価できるが、結果はまだ先。人々の生活を変えるような新製品の開発と収益性確保の両立は決してたやすい話ではない。

日経新聞より

最新の画像もっと見る