くろさん亭、おかわり

解体

それは、私が小学生の頃。

本の虫だった私の欲しがるままに本を買っていたら大変なことになる

と、気づいた母が始めた習慣。

それは、二週間に一回の図書館通い。

          

はじまりは、ここ「熊本市中央公民館」内の図書室。

土曜日の午後。親子で自転車を走らせ、通っていました。

あくまでも図書室ですので、そんなに多くの蔵書はなかったものの

本の独特の匂いと、静かな時間。

学校の図書室とは違って大人になったようなわくわく感もありましたっけ。

ほんの一時間程度ですが、その時間の楽しかったこと。

この個性的な建物を見るたびに、心によみがえる懐かしい時間。

          

そんな公民館も、熊本地震で大きな被害を被りました。

私とほぼ同年代のこの建物には、あまりに過酷な体験だったのでしょう。

2階の柱に亀裂が入り、雨漏りするなど損壊が大きく、立ち入り禁止の状態。

そして。

解体が決まったそうです。

今でも二週間に一遍の図書館通いは続いています。

でも、もうこの公民館の図書室に通うことはありません。

黄色いテープのむこうから、やってきた風には、あの懐かしい本の匂いがしたような気がしました。
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