さくらんぼ狩りに行った知り合いがお土産にと持ってきてくれたもの。
そういえば、今日は桜桃忌。
太宰治の命日です。
「桜桃」は、太宰治の短編のひとつ。
タイトルにもなっている桜桃は主人公が、酒場で出されたもの。
(たぶん、当時でも高価な果物に違いありませんが)
「子供たちは、桜桃など、見た事も無いかもしれない。
食べさせたら、よろこぶだろう。父が持って帰ったら、よろこぶだろう」
と、は思うのですが、彼は家に桜桃を持ってかえらないのです。
それどころか
「大皿に盛られた桜桃を、極めてまずそうに食べては種を吐き、
食べては種を吐き、食べては種を吐き」
(ご丁寧に三回も繰り返されています!)
その場で自分で食べてしまいます。
たぶん、これが母親だったら、間違いなくこどもたちに持って帰ることでしょう。
でも、父親は食べるのです。
そして
「心の中で虚勢みたいに呟く言葉は、子供よりも親が大事。」
虚勢なのです、虚勢。
この作品を書いて、しばらくして、太宰は入水自殺をするのです。
若いころに読んだときとは違い、最後の言葉がなんとも切ない・・。
ちなみに桜桃ではなく、黄桃がのったこのケーキは
長崎名物(?)シースクリーム。
スポンジ・ケーキ、カスタード・クリーム、生クリームのシンプルなケーキ。
桜桃の主人公が行った酒場で、このケーキが出ても
きっと極めてまずそうに食べるんだろうな・・・。
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