エスクラ吹きの備忘録

2024年3月で一時引退したアマチュアエスクラ吹きです。演奏感覚を忘れぬよう記録する、主に自分用です。

エスクラ向きの性格

2024-09-09 21:31:00 | 日記
サッカーで言えばフォワード(FW)、それも生粋のストライカータイプだろう。岡野、久保、岡崎あたりと言えば、筆者の年代が大体知れてくる。もしくは芸人で言えば爪痕残す系のひな壇芸人だろうか。いずれもココぞ!という際に飛び出し一気呵成にゴールを奪う瞬発力と決定力が必要不可欠かなと思う。つまりは、、、お調子者タイプかな?私は自他共に認めるソレであることに異論はない。

案外この性格が、木管のしかもクラリネットには稀有であるが故、学生バンドなどで存在感のまるでないエスクラをよく見かける。きっと音程とかアタックとか散々注意されて萎縮してるのかなぁ〜と見受けるに、何と勿体無いことか。限られた人員に存在感のないエスクラを吹かせるくらいなら、よっぽどかエスクラなしでその分B♭管を吹かせた方が戦力になるのに。ピッコロも然り。。。
但し、木管でもサックス吹きにはそのような性格が(比較的)多いように思う。もしかしたらサックスからの転職者こそが、エスクラ吹きの最適者なのかもしれない。つまり私ですが。。。

とはいえクラリネット吹きにそのような性格が少ないのはある意味致し方ない部分もある。なぜなら人数を必要とするクラリネット吹きの半数(もしくはそれ以上)は、他の楽器がやりたかったけど選考に敗れし者たちであるケースが多いからだ。感覚ではあるが、周りのクラリネット仲間に聞いても皆異論はないところから、真理と思う。
本当はトランペットというこれまた生粋のストライカーになりたかったけど、嫌々クラリネットなどというボランチに廻されて今一やる気の出ない者よ!そんな君にとってエスクラは、木管でもストライカーになれるワンチャン楽器であることをお忘れなく!

ま、なったらなったでエスクラにはエスクラなりの課題もあるんだけどね。


エスクラの使われ方

2024-09-09 09:09:00 | 日記
これまでの経験から、楽曲やシーンによって次の3パターンに分類される。

①B♭管パートのオクターブ(ユニゾン)
②フルートオーボエパートと同一
③エスクラという独立した1パート

①は90年代までの課題曲などに多く、クラリネットパートの補強として響きを増すためと思われる。なので吹き方としては常にB♭管パートにブレンドするよう心掛けている。
またこの場合、音域の変換という役目もある。例えばB♭管が開放のソやラを出す時、エスクラユニゾンであれば左手のレやミに相当する。どちらの方が良い音が鳴りやすいかは比べるまでもない。従ってその箇所のみ他よりも少し強調した演奏を行う。

②は近年メインの使われ方で、この場合パート練習などもクラリネットではなく高音木管で行った方がよい。ってかそうでないと意味がない(クラリネットパートの人数を割かずにパート練習を聞くという意味はあるが)。この場合の吹き方は、ブレンドではなく輪郭を出すことを最も意識する。そもそも相手がフルート(笛)オーボエ(二枚リード)という異なる発音方式なのだから、ブレンドさせる意味もない。それよりも非力なこれらパートにエッヂを与えるためと解釈する。そして何といってもこの出張パート練習が普段と違う環境なだけに楽しいのだ。

さて③である。2010年代以降の課題曲Ⅴに代表される現代曲や、長生淳の大編成スコア、近年流行りのヨーロピアンブラス曲のアレンジに該当する。「君は林檎の木を植える」「科戸の鵲巣」「宇宙の音楽」「ブリュッセルレクイエム」などである。当然これらの曲中に①や②のシーンもあるので、その時にはそれに応じた対応を行うが、突如として訪れる③のシーンを見極めて一気にギアを変える必要がある。私が過去に科戸を演奏した際はクライマックスのソロでマーラーばりのベルアップを行い、審査員の著名なクラリネット奏者より「エスクラブラボー!」と講評用紙に明記頂いたことは光栄であった。