エスクラだけでなくB♭クラも同じなのだが、私は基本発音にタンギングを使用していない。尤も、発音前に息の流れ整えるためにタンギングは行うが、タンギングと同時に音を出すことはしておらず、舌が完全に離れてから息を吹き込んでいるように思う。
特に意識してこうしている訳でもなく自然とこの形に落ち着いたのだが、このメリットは2つある。
1つは、後の立ち上がりに雑音が入らないことだ。息のスピードと支えがしっかりしていればタンギングで音の立ち上がりを支えなくともよい。中高生でよくタンギングに頼り切った発音を耳にするが、あくまで発音のタンギングは補助的に使うのがいいだろう。
もう1つは、アクセント表現の際に敢えてタンギングを使用することで、アクセントを演出する貯金が生まれることだ。
ただ、チェリビダッケ指揮ミュンヘンフィル「展覧会の絵」におけるキエフの大きな門のように、アクセントを他の音よりも弱めることで強調する例もあるので、アクセント=他より強くという訳ではないことを付記しておく。