
目 次
1.最近の原発問題を巡る行政と司法の動向のピックアップ
2.川内原発再稼働やめろ”官邸・国会大抗議見聞録
3.敦賀市議今大地はるみさんの感動的スピーチ
4.放射性廃棄物の問題
2.川内原発再稼働やめろ”官邸・国会大抗議見聞録
3.敦賀市議今大地はるみさんの感動的スピーチ
4.放射性廃棄物の問題
1.最近の原発問題を巡る行政と司法の動向のピックアップ
5月25日付の朝日新聞デジタルニュースによると、昨年12月に経産省が募集した国家エネルギー計画へのパブリックコメントに約19000件の意見が寄せられたが、経産省は賛否の集計を公表しなかった。朝日新聞から全ての意見の公開を求められた経産省は、受付順に個人情報保護のために名前を消す作業が終わった2109件分を開示したが、脱原発を求める意見が2008件もあった。残りのパブリックコメントの開示の可否は9月までに決めるという。安倍政権はこのようなパブコメの結果にお構いなく、ベースロード電源として原発再稼働に前のめりである。5月28日の東京新聞によると、任期満了を迎える原子力規制委員会の島崎邦彦副委員長の再任を認めず、原子力推進派から献金を受けていた田中 知元原子力学会会長の任用を目論んでいる。島崎氏は活断層の調査に厳しく取り組んできたので、原子力ムラに関係の深い自民党有力議員の思惑が働いたらしい。脱原発派にとって明るいニュースは、”原発停止で多額の貿易赤字が出るとしても、豊かな国土に国民が根を下ろして生活していることが国富であり、これを取り戻すことができなることが国富の喪失だ”と大飯原発3,4号基の再稼働を差し止めた5月21日の福井地裁樋口英明裁判長の判決であった。
2.川内原発再稼働やめろ”官邸・国会大抗議見聞録

6月1日には、首都圏反原発連合の主催による“川内原発再稼働やめろ”官邸・国会大抗議が行われた。翌日の東京新聞に主催者側発表で1万人が参加とあったが、実際に参加した一人としては、残念ながら慣例の金曜日夕方の抗議行動を大きく上回る盛り上がりは感じられなかった。その一因は、国会周辺の抗議行動が著しく制限を受けていることにある。参加者達は上図で青色に塗り分けたように、可動柵で分割された歩道の片側に留まるよう規制されている。もう一方の側は通行用で、立ち止まると咎められる。赤い星印で示した首相官邸前付近では、帯のように伸びた人々の列が「再稼働反対」のシュプレッヒコールを上げ続けていた。霞ヶ関交差点方向に進むと人影はまばらになり、交差点を渡って国会前庭和式庭園に向かうと、数名で楽器を奏でるグループがちらりほらりと見られた。もう一つの赤い星印で示した国会前大抗議では、曲がり角の猫の額のように狭い空き地で集会が続いていた。庭園側向きに小さな演壇があり、この日は菅元首相など約30名の論客が数分間のスピーチを行っていた。狭い場所なので、演者の顔が見える場所に立てる参加者数は決して多くない。大多数は霞ヶ関交差点方向や、国会前差点方向に下る道路両側の歩道上で、帯のように連なってスピーカーに耳を傾けるしかない。国会前方向に下る広い道路はガランと空いたままである。このように抑圧されたやり形のままでは、原発再稼働、秘密保護法、集団的自衛権自衛権容認に対する抗議行動は、マスコミが取り上げてくれないと大勢の国民に伝わり難いであろう。
3.敦賀市議今大地はるみさんの感動的スピーチ
国会前で、大飯原発運転差止め訴訟で原告団の一員として判決を傍聴した敦賀市議の今大地(こんだいじ)はるみさんが、感動的スピーチを行った。手持ちのビデオカメラで撮影した映像をユーチューブにアップロードした。上記のような現場の状況で望ましい撮影地点が得られず、今大地さんが視野から外れている部分があるが、音声はしっかり入っているので、耳を傾けていただきたい。
要約すれば、今大地さんは、当たり前のことを分かりやすい言葉で、「原発立地自治体の地域住民は反対だと言っていいんだよ」と教えてくれた判決を聞いて、涙が止まらなかった。原発立地自治体は原発植民地と言われ、住民は支配者達に絶対服従で、見ざる、言わざる、聞かざるでないと暮らしてこられなかった。基本的人権を奪われて生きてきた沖縄の人達と同じである。司法もこれまで見ざる、言わざる、聞かざるだったが、今回の判決は司法に生き返るチャンスを与えてくれた。これを決して埋もれさせてはならない。終わりに今大地さんは付け加えた。原発立地自治体には、あの判決後も本当の声をあげられない人々が大勢いる。国会周辺の皆さんの声は、遠方の自治体には届いていない。原発に務めている人も、その家族も心から原発はいらないと言えるような、反原発・脱原発の運動を皆さんとつくってゆきたい。
4.放射性廃棄物の問題
最近放送のNHKスペシャル「エネルギーの奔流」第2回で、原発から出る使用済核燃料問題が取り上げられた。2010年にアメリカも絡んでモンゴルに日本、韓国,台湾から出る使用済核燃料の国際処分場建設が立案されたが、モンゴル住民の猛反対で立ち消えになった。ヨーロッパでも個々の国が別々に造るより国際処分場の方が経済的との点で検討が進められている。この計画の責任者マッコーミック博士のもとには、原発建設計画を立てている多くの発展途上国から問い合わせが届いているそうであるが、博士はいずれ国際処分場ができるからと、安易に原発導入に走ることに警鐘を鳴らしている。安倍首相はトップセールスで原発輸出に奔走しているが、こんなことを当てにしているのであろうか?国内では福島の事故後の除染作業で出た指定廃棄物の中間貯蔵施設建設の候補地選びが始まった。国や自治体の担当者は30年後には撤去するとの約束で話をまとめることに懸命であるが、彼等が30年後に約束を履行する確証は皆無である。もっと放射能の強い使用済核燃料の処分はもっと大変である。いずれにしても過去からの負の遺産としてどこかに貯蔵せねばならない。少しでも早く、放射性廃棄物をこれ以上増加しないように取り組まねばならない。
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