雨です。
ビニール傘をさして歩いていました。
流れる水と音。
それで思い出したのが、ガラスの茶室の存在です。
ガラスでできた透明な茶室。その中に入って、こんな雨の水の流れや微かな音に囲まれて、じっと座っていると、いいだろうな、と、、、。
デザイナーの吉岡徳仁さんが京都青蓮院で展示されている「ガラスの茶室-光庵」が先日NHK日曜美術館で紹介されていて、とても興味を抱きました。
その名のとおり、それは屋根から床まで全てがガラスで出来ている透明な茶室です。
テレビで紹介されていたシーンは晴れ渡る昼間の茶室でした。プリズム効果によって分解された太陽光が、お茶碗を持つ仕草をされた吉岡さんご本人の掌に、小さな虹を注いでいました。
それは可愛らしくもあり、神秘的でもあり、人間が自らの掌に夢や希望の種を見つめているように感じました。
人間はいつも光とともに生きていると、僕は感じます。光を見つめ、光に見つめられて、、、。その感じに、吉岡さんの作品やご本人の笑顔や掌の虹は、少し重なって内心少し嬉しくもありました。
茶道をしていると、一服のお茶のなかに色々な世界が見えてきて、それを静かに眺めながら味わっていると、だんだんと気持ちが透き通ってゆくのです、と、母から聞いたのを思い出しました。
僕は少ししか茶会経験がないけれど、そのたびに茶室に入る時の別世界に入る瞬間のような胸さわぎとともに、茶室のあの身を小さくしないと入れない小さな入り口に、なぜか、聖書にある「狭き門をくぐれ」という言葉を思い出していたのですが、そのことも、感じ直しました。
別なる場所。ふだんの暮らしから離れて何処か異なる空間と時間にカラダを入れる。そしてまた暮らしの中に帰ってゆく。それは日々を新しく過ごしてゆくための命の洗濯だったり、魂の入れ替えの作業でもあるのかなと思いますが、茶室というのもまた、舞場や劇場などと似て、そういう場所なのかと思います。
吉岡さんのガラスの茶室は、そんな役割りを果たしながらも新鮮で、明るく開放的で、自然との一体感も考慮されている点がすこぶる素敵だと思いました。
陽の光の変容を感じながら、あるいは、降り注ぐ雨が形作る流水の妙を感じながら、透明な室内で心静かに過ごす時間はとても贅沢なのではないかと思います。
日常から身を離し、静かに時の深まりと自然の広がりに耳を澄ます。
そんな過ごしかたを、ガラスの茶室は提案しているようにも感じました。
「ガラスの茶室-光庵」は、2016年春まで、京都の重要文化財・天台宗青蓮院門跡境内、将軍塚青龍殿にて公開されているそうです。青龍殿は京都を一望する爽やかな山中にあります。なんとか行ってみたいと思いました。
__________________________
★2015年内、櫻井郁也のステージ予定★
ビニール傘をさして歩いていました。
流れる水と音。
それで思い出したのが、ガラスの茶室の存在です。
ガラスでできた透明な茶室。その中に入って、こんな雨の水の流れや微かな音に囲まれて、じっと座っていると、いいだろうな、と、、、。
デザイナーの吉岡徳仁さんが京都青蓮院で展示されている「ガラスの茶室-光庵」が先日NHK日曜美術館で紹介されていて、とても興味を抱きました。
その名のとおり、それは屋根から床まで全てがガラスで出来ている透明な茶室です。
テレビで紹介されていたシーンは晴れ渡る昼間の茶室でした。プリズム効果によって分解された太陽光が、お茶碗を持つ仕草をされた吉岡さんご本人の掌に、小さな虹を注いでいました。
それは可愛らしくもあり、神秘的でもあり、人間が自らの掌に夢や希望の種を見つめているように感じました。
人間はいつも光とともに生きていると、僕は感じます。光を見つめ、光に見つめられて、、、。その感じに、吉岡さんの作品やご本人の笑顔や掌の虹は、少し重なって内心少し嬉しくもありました。
茶道をしていると、一服のお茶のなかに色々な世界が見えてきて、それを静かに眺めながら味わっていると、だんだんと気持ちが透き通ってゆくのです、と、母から聞いたのを思い出しました。
僕は少ししか茶会経験がないけれど、そのたびに茶室に入る時の別世界に入る瞬間のような胸さわぎとともに、茶室のあの身を小さくしないと入れない小さな入り口に、なぜか、聖書にある「狭き門をくぐれ」という言葉を思い出していたのですが、そのことも、感じ直しました。
別なる場所。ふだんの暮らしから離れて何処か異なる空間と時間にカラダを入れる。そしてまた暮らしの中に帰ってゆく。それは日々を新しく過ごしてゆくための命の洗濯だったり、魂の入れ替えの作業でもあるのかなと思いますが、茶室というのもまた、舞場や劇場などと似て、そういう場所なのかと思います。
吉岡さんのガラスの茶室は、そんな役割りを果たしながらも新鮮で、明るく開放的で、自然との一体感も考慮されている点がすこぶる素敵だと思いました。
陽の光の変容を感じながら、あるいは、降り注ぐ雨が形作る流水の妙を感じながら、透明な室内で心静かに過ごす時間はとても贅沢なのではないかと思います。
日常から身を離し、静かに時の深まりと自然の広がりに耳を澄ます。
そんな過ごしかたを、ガラスの茶室は提案しているようにも感じました。
「ガラスの茶室-光庵」は、2016年春まで、京都の重要文化財・天台宗青蓮院門跡境内、将軍塚青龍殿にて公開されているそうです。青龍殿は京都を一望する爽やかな山中にあります。なんとか行ってみたいと思いました。
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★2015年内、櫻井郁也のステージ予定★