美しいものには、芯があります。
良い作品には、しっかりした言葉が宿っています。
石岡瑛子さんの回顧展で、あらためて、そう思いました。
彼女がデザインしたポスターの中にいる女性のまなざしには、媚びがありません。可愛く見せようとするような、姑息さもない。
資生堂の、パルコの、覚えあるポスターがずらり。
街で、本で、テレビで、家で、、、何度も何度も見たはずなのに、初めて見るような新鮮さ、そして説得力を感じます。意見がしっかりあるからです。
やはり素晴らしい。しかし、なぜそれらが素晴らしかったのか、ということについて、イマ改めて展覧会という場で見ると、客観的に考えさせられます。
レニ・リーフェンシュタールの再評価となったヌバ族の写真展、タマラ・ド・レンピッカの画集、角川書店の野性時代。ビスコンティの、そして、コッポラの映画、、、。日本公開されなかった映画『MISHIMA』のセットが再現された部屋は息を呑みました。
持っている本や雑誌が、観た記憶があるステージや映画が、展覧会として展示されている。その場に居ることで、それらの底部に流れていた思想や熱を捉え直す、非常に大切な機会になりました。会場の要所要所に掲示されている石岡さん自身の言葉にも、心をつかまれました。
この人は、世間や人目や時代を気にして自分の個を疑ってしまうような弱さが無い、信頼できる芸術家の一人です。
展示はかなり大規模で、落ち着いて鑑賞するなら、少なくとも2~3時間かかると思います。木場の東京都現代美術館。来年2月までだから、まだしばらくやっています。(link)
_____________________________________
舞台活動についてのご案内を掲載中です。
・コンテンポラリー/舞踏(メインクラス)
・基礎オープン(からだづくり)
・創作(初歩からの振付創作)
・オイリュトミー(感覚の拡大)
・フリークラス(踊り入門)