「ねむの木学園」の人々が描く絵には、人間を肯定する力があふれて背を押されます。そんな絵を僕たちに見せてくれる場所が、静岡県掛川の「ねむの木子ども美術館」。春にオープンした新館は「どんぐり」というんだそうです。藤森照信さんの設計。この建物ができるプロセスを、テレヴィで見ました。
宮城まり子さんと、ねむの木の子どもたちが、建築家の藤森氏と一緒になって汗をかく。そして、屋根に花を植えるんです。
やがて完成したのは、ドングリ頭のドームをもった、真っ白な可愛い美術館。
森の緑に映える真新しい白壁に、みんなで麦の穂を描いた様は、胸に迫るものがありました。
筆をもち、一生懸命に絵を描くひとりひとりの姿。内側にいきている力を、建物と分かち合うようにして描く。その姿は、親に語りかける子のようでもあり、子の世話をする親のようにも見えます。これが、人が物に命を入れる瞬間。そして、愛の体験が生きている人の姿だと感じました。
障害があると世間はいうのだけど、この人たちの自我には、肉体には、何とも尊厳があります。一本一本の麦は、描き手自身の内側に育ちゆく魂。建物をぐるりと囲むほどに描き上げた、たくさんの麦は、ひとつとして同じものはないのに、まるで一人の画家が描いたかのように調和してます。絵画によるコーラス。描かれた沢山の麦の穂は、心の風にゆらぎ、ハレルヤの声が聞こえるようです。生命が吹き込まれた建物は、昔からある村の教会のようにやさしい表情を浮かべました。
ああ、描くということは、こういうことだったのだ・・・。深いため息が出ました。
「ねむの木学園」は今年40年とのこと。たった一人の衝動が、つながり・育って、いま確実に未来への道しるべとなっていることを知り、新たな励ましをもらえた気分です。
宮城まり子さんと、ねむの木の子どもたちが、建築家の藤森氏と一緒になって汗をかく。そして、屋根に花を植えるんです。
やがて完成したのは、ドングリ頭のドームをもった、真っ白な可愛い美術館。
森の緑に映える真新しい白壁に、みんなで麦の穂を描いた様は、胸に迫るものがありました。
筆をもち、一生懸命に絵を描くひとりひとりの姿。内側にいきている力を、建物と分かち合うようにして描く。その姿は、親に語りかける子のようでもあり、子の世話をする親のようにも見えます。これが、人が物に命を入れる瞬間。そして、愛の体験が生きている人の姿だと感じました。
障害があると世間はいうのだけど、この人たちの自我には、肉体には、何とも尊厳があります。一本一本の麦は、描き手自身の内側に育ちゆく魂。建物をぐるりと囲むほどに描き上げた、たくさんの麦は、ひとつとして同じものはないのに、まるで一人の画家が描いたかのように調和してます。絵画によるコーラス。描かれた沢山の麦の穂は、心の風にゆらぎ、ハレルヤの声が聞こえるようです。生命が吹き込まれた建物は、昔からある村の教会のようにやさしい表情を浮かべました。
ああ、描くということは、こういうことだったのだ・・・。深いため息が出ました。
「ねむの木学園」は今年40年とのこと。たった一人の衝動が、つながり・育って、いま確実に未来への道しるべとなっていることを知り、新たな励ましをもらえた気分です。