今回からシリーズで中国ビジネスでの≪禁止事項≫を取りあげたいと思います。禁止事項とは中国人に接する上で「やってはいけない行為」です。絶対にやってはいけない行為、まずは4つの項目を「禁止4事項」として説明します。それを4つ項目とは、「人前で叱る」、「謝らせる」、「一方的な指示」、「反論に反論する」の4つです。「中国人とうまくつきあう実践テクニック」(総合法令出版)でも取り上げました。http://bit.ly/bJNEXM
このブログでは、4回にわたって順番に取り上げていきたいと思います。特に中国人の同僚や部下を持つ日本人ビジネスマンの皆さんに知っておいていただきたいポイントです。
「禁止項目」の一番目は、「人前で叱る」という行為です。中国人を人前では絶対に叱ってはいけません。「人前で叱ること」、これは相手の「面子」を潰すことになります。仮に、本人に「非」がある場合や注意を与えなければならない場合でも、人前で叱る行為は厳禁です。中国人は「面子」をたいへん気にします。「面子」を潰されることを極端に嫌います。(中国人がなぜ「面子」をたいへん気にするか、についてはいずれコラムでも詳しく取り上げたいと思います)一度面子を潰してしまうと取り返しのつかないことになります。「叱る側」、「叱られる側」もこれまでせっかく培ってきた信頼関係が一気に壊れてしまいます。
日本人でも人前で恥をかかされたり、面子を潰されたりすることはいやなことです。しかし、日本人と中国人とで決定的に違う点があります。それは、面子を潰されたとの「深刻さ」です。中国人にとって「面子を潰す」や「面子を潰される」という行為は、わたしたちが想像を遥かに超えて深刻な状況になっているはずです。これは私たちが面子を潰されたときのダメージを遥かに超えています。
実は、日本語には気持ちを切り替える便利な言葉がたくさんあります。例えば、「水に流す」とか、「すんだことは忘れて・・・」とか、「心機一転」などなど。これを「立ち直りの言葉」と名付けました。日本は済んだことは水に流して、新たな気持ちでもう一度関係構築のやり直しができる文化なのです。一方で中国人はそんなに簡単に水に流れません。(中国人がなぜ気持ちの切り替えが苦手か、日本語のような「立ち直りの言葉」を多用しないか、また改めてコラムでも詳しく取り上げたいと思います)済んだことでも忘れないのが中国人です。
しかし、一度「面子」を潰された中国人はこの再出発がたいへん難しい。「面子」を潰した打撃はかなり深刻なままで残ります。だからといって中国人を「叱ってはいけない」というわけではありません。叱るときは誰もいないところで、「一対一」で注意を与えることが重要です。ここでも会社対社員の関係ではなく、個人対個人の関係を意識することがポイントです。もちろん感情に任せて叱りつけることや人前での「叱咤激励」も厳禁です。あなたは「激励」のつもりでも、中国人はそれを「励まし」とは感じていないはずです。「人前で叱る」は絶対にやってはいけない行為なので、ぜひご注意ください。
次回のテーマは「謝らせる」です。中国人は「自己主張は強いがなかなか謝らない」という印象をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?「中国人はなぜ謝らないのか?」それを異文化理解の角度から考えてみます。
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