どら焼きとフランス人
伴侶がエシャンジュを始めた。
(仏人が日本語を勉強し、日本人がフランス語を
勉強する交換授業のこと)
相手は、アドレ-ヌ 。おかっぱ頭の女性30歳だ。
日本の文化に傾倒し、弓道もやっている。
エシャンジュの中で、偶然、映画「餡(あん)」が
話題が出たらしい。
でも餡がどんなものか、彼女は知らないと言ったそうだ。
そこで、今日
エシャンジュ終了後、伴侶が手づくりの
どら焼きをそっと出した。小さなお皿に2つ。
1つをぱくりと食べた。が、2つ目は手を付けない。
「不味いの?どうしたの?もう1つ食べないの?」
「う-ん。う~ん。本当はね、妹にもって帰ってあげたいの。」
「そうなんや。妹さんと一緒に住んでいるんやね!」
「でもまだたくさん残ってるよ。」
と聞くや否や彼女は2つめもパクリ。
はにかみ屋で、神経質で、ややもすれば
自己表現の乏しい女性らしいが、
帰り際「メルシ-」の言葉を残して、
妹さんにどら焼きを
持ちかえったのは言うまでもない。
フランスには、日本文化に魅せられている人は多い。
生け花、柔道、空手など。そして最近では
Manga (漫画)、コスプレに夢中になり、日本語を
話す若者も多くいる。
ひょっとして日本人以上に日本文化に造詣が深い人が
多いのかもしれない。
そして同時に、日本のおいしい食べ物に
恋している人たちだと言っても過言ではない。
小豆は、フランス産、有機栽培のもの。
小粒で、あっさりしている。