Watch paper 2020年

時計知識、技術

2020年4月 時計の魅力は内部である

2020-04-17 12:54:31 | コラム 小論文
1950年のアガシスという高級機械式
INTRODUCTION―輝き続けるムーブメント
BODY―外装
CONCLUSION―時計の美しさ

見上げた空はいわゆる地上はるか上方の弧状の外装である。手に触れた部分は、この時計の外装に相当する。外装は何かを、時計はムーブメントを守るために使われ、様々な試練を超えてムーブメントを守り続けたという証拠が残る。つまり傷である。例えばこのアガシスという機械式時計。守られたムーブメントは表示部の針を回す機能にとっての部品にすぎないが、外装に収めて視覚的には内部である。見えない感覚が固体差を有する視覚的性質の知覚になるのである。すなわち修理で裏蓋を開け内部を目の当たりにしたときの圧倒的な美、そして視神経を進んで脳神経に至り、脳内神経に着いたときが,視覚のプロセスの完了である。脳内神経に至った表象によって最終感覚器が視覚対象の表象を知覚する。つまり内部はこの表示部の針を回す機能だけではないと断定するのである。特別な複雑機構は無く、洋白の地板のようなカチッとした部品とは違って柔らかい色合いの黄金色、ルビー石がちりばめられた宝石のようなムーブメントが内部にきちんと収められていた。手に取った時計の外装の傷は守り続けた証拠である。今、頭上に広がっていた青空からは冴えた輝きが消え、空は継ぎ目ひとつない灰色に覆われている。

時計をアクセントに風景を描けただろうか?
あなたも“歴史を調べる“を習慣にしてみてはいかかでしょうか?
最後まで見ていただき、ありがとうございました!

今日の話題…黄金色の雫石
今日のお役立ち時計…Pierceの自動巻。1940年代の極初期に開発された自社製自動巻キャリバーを搭載。可動モジュールが上下運動を行う機械構造のため、時計を振ると「トントントン」と音が響きます。回らない自動巻きは機構開発の難しさを物語っている。

次回演目『あ行 アンジェラス』
登場語録…時計、マニファクチュール、機械式時計、1950年頃



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