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日々是楽!(Enjoy it every day!)

「ツナグ」 辻村 深月

最近映画化された辻村さんの2011年の作品の「ツナグ」。
第32回(2011年) 吉川英治文学新人賞受賞作品だ。

昨年、直木賞作家の座をゲットした辻村さんだが、実は読むのは初めて。早速、期待して評判の良い本作を読む・・・第1印象はなるほどいかにも女性作家が書いたという感じで、親父が読むには少々メルヘンチックかな?っとゲットしたことを後悔しながら読み進める。

一生に一度だけ、死者との再会を叶えてくれるという「使者(ツナグ)」の話。
逆に死者にとっても1度しかチャンスがないという、えらくメルヘンチックなんだけど実はえらく考えさせられる内容なのだ。

例えば、もし自分が死んだら、誰が死んだ自分に逢いにきてくれるのか?生者にとっても1度しかないチャンスなのだ。もし家族のメンバーが逢いに来てくれたら・・・その時逢うのはかみさんか?2人の娘のどちらか?それとも息子か?何せ1度しか生者と合うことができないのだ。自分に置き換えて考えてみると実はえらく難しい問題。
逆に、生者の自分が死者と1度だけ逢えるとしたら・・・おそらくかみさんより自分は早くあの世へ旅立つと思うが、繰り返すがチャンスは1度きり。不慮の事故でもし子供たちが不運にも自分より先に・・・ということがあるかもしれないと考えたら、中々1枚きりのカードを切れない。

中々考えさせられる内容だ。
そんな環境下、4つのストーリーが展開される。

なんだろう、親父の自分が言うのも何だがすごく透明感がある。読後とにかく爽やかなのだ。
想像した以上にしんみりするし、考えさせられる。
なるほど、辻村さん、若いのに実力あるね。やや少女漫画ちっくなところもあるが、他の作品も手にしたくなるような秀作だ。とにかく何とも言えない読後感が悪くない。お奨めです。

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