「俺俺」 星野 智幸

石田徹也氏のカバー絵を見て、まさしくジャケ買いだ。
話は少しそれてしまうが、石田氏の絵はいいよねぇ～。何だろう一見ユーモラス？と思うのだが、見れば見る程重苦しくなってくるというか？閉塞感というか？何か訴えてくる。こういった天才タイプほどあっという間にひと仕事終えたかのように天命を全うしていってしまいますね。31歳は早過ぎる・・・。

本題に戻って初めて手にした星野氏の「俺俺」の話へ。
自分が勝手に石田氏のカバー絵を見て、期待をグングン膨らませていってしまったのだが、当然ながら石田氏と著者は全く関係ない。単純におれおれ詐欺の話かな？と勝手に想像していたが、それに近いようなスタートを切るものの内容は全く予想外の方向へ・・・。
正直言うと、何だかよくわからん。
この本には色々な評価、感想があるだろう。そりゃ当然だ。前半はえらく引っ込まれていくのだが、途中から自分は全くついていけなくなる。「こいつも俺で、あいつも俺で・・・」おいおい、ドンドン俺が増幅していく・・・そして最後は生き残りをかけた究極のサバイバル？もう何だが何だか、繰り返すがついていけない。
著者が言いたいことはわかる。何かはっきりとは説明できないが言いたいことはわかるのだ。でも・・・。久しぶりに読み終えて疲れた。ちょっと自分にはあわない。
でも、この手の本好きな人もいるのは確か。だから好き嫌いはっきりわかれる作品だろう。でも、万人受けは無理だね。
あまりにもカバーが惹き付けるので、手にしましたが正直何だか良くわかりませんでした。
たまにはこういう作品と出会うのもありですかね。ちなみに「大江健三郎賞」受賞作品とのこと。う～ん、わからん。