「オリンピックの身代金」奥田英朗

最近さぼってしまっていて久しぶりの読破。
奥田氏の「オリンピックの身代金」は分厚く、かなりヘビーな内容で中々進まず、何だかんだ2ヶ月程かかってしまったかも？それにしても重い内容だ。直木賞をゲットした伊良部Drシリーズやサウスバウンドなど軽快な作品も良いが、初期の「邪魔」「最悪」などに代表される重～い作品も好みだ。今回はその重い作品としてかなり期待したが、スタートから予想通り重い。ホント重い内容・・・戦後復興の象徴ともいえる東京オリンピックが題材なのだが、その裏社会にはびこる貧困、肉体労働等々の話が続く。期待はしていたものの、かなり重過ぎ？
我々より諸先輩のいわゆる団塊世代には、懐かしく読めるであろうが、東京オリンピック開催時にはまだこの世に誕生していない自分にとってはややピンとこないところも多く、この作品の本来のターゲットではないのかもしれない。まぁ～それでも後半は急にピッチがあがり、独特の緊迫感が実に面白くなってくるのだが、何せ前半部が長過ぎる。そして、何よりも惜しいのが予想通りの展開と結末・・・．。折角後半面白くなってきたのにやっぱりなぁ～は実に呆気無い。最近の奥田氏ちょっとスランプ？やや物足りない。次回作「無理」に期待しよう。