加藤知世子/闇をよこぎる鼻黒鼬彼の詐欺漢
村上鬼城/沼涸れて狼渡る月夜かな
松根東洋城/熊撃てばさながら大樹倒れけり
冬の季語/臘八会(らふはちゑ) 臘八・成道会・臘八接心・臘八粥・五味粥・温(うん)臓粥・温槽粥
遠藤梧逸/枸杞茶煮て神農祀る日なりけり
草間時彦/大根焚(だいこたき)あつあつの口とがりけり
橋本鶏二/日輪のがらんどうなり菊枯るる
川門清明/葉牡丹や過密に耐ふる外(ほか)なけれ
佐藤鬼房/猫下りて次第にくらくなる冬木
皆吉爽雨/霜枯の鶏頭墨をかぶりけり