殿村菟絲子/冬霞む塩田(えんでん)のたゞ仕切られて
松尾芭蕉/菊の後(あと)大根の外(ほか)更になし
中 勘助/銀の匙に麦粉そなへん漱石忌
鈴木花蓑/蹴ちらしてまばゆき銀杏落葉かな
『新古今集』より 「きりぎりす鳴くや霜夜のさむしろに衣かた敷きひとりかも寝む」
石田波郷/雁(かりがね)の束の間に蕎麦刈られけり