青空と麦畑を国の旗とした国
麦畑のうえの青空ほどに 青い空はない*1
青空と麦畑 それを国の旗とした国
八千キロ離れた国だが
いまわたしにいちばん近い国
侵された自由と奪われつづけている命
そのうめきと血のしたたりのゆえに
麦畑のうえの青空ほどに 青い空はない
青空と麦畑 それを国の旗とした国
野獣の顔をした独裁者が
雪の底から隣の死者さえ掘り起こし
汚泥(おでい)にまみれた靴で
その尊厳(そんげん)を踏み砕いている
わたしの眼は 破壊されていくひとの今日の暮らしをみる
わたしの耳は 恐怖に泣く子どもの二十年後の声をきく
―戦争から逃げる自分を許せません*2
―私は助けて、助けて、助け続けます*3
青空と麦畑 それを国の旗とする国
誇り高き空よ 世界をきみの平和で澄み渡らせてくれ
*1 ルイ・アラゴン作、大島博光訳「エルザの眼」より
*2、3 3月15日のテレビでみたウクライナ国民のことば
ウクライナの国旗
●ご訪問ありがとうございます。
うつくしい国旗が血で染まっています。
停戦の声も聞かれています。それが実現することを祈っています。