祈りを、うたにこめて

祈りうた・いのちうた(息子たちの入院前夜に)

息子たちの入院前夜に
―二〇二五年〇月〇日


今日が来る
今日が来ることを待っていた
今日が来ることを恐れていた
どちらもの今日が ついに来る

―肝臓の移植、それがいま治療と言える唯一のことです
医師はおだやかに告げた
―臓器提供者(ドナー)、それが見つかりさえすれば良いのです
生体肝移植―初めての診察の予期しなかった告げ知らせ

―自分は受けたくない
弟の拒みは強かった
ドナーの兄の言葉 それがこころに沁み入るまで
兄の愛を裏切れない そう思い至るまで

―移植のほかに治療はないのだナ
その自答までの 父母のためらい
―移植手術をすること それを医師に託そう
その決断までの 父母の葛藤

心配が胸で弾ける 不安が足の先から湧いてくる
真っ暗な天井 打ち続ける鼓動
来て欲しかった、来て欲しくなかった
息子たちの入院 どちらもの日がとうとう来た




◆言葉に愛を宿したい。
◆いつも読んでくださり、ほんとうに有難うございます。
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