さて、前回はアイスランドのVoces Thulesをご紹介したのでありますが、いかがなものでしたかと聞いても返事はないので、続きに移るとしようかといかがなものかと思ったりしながら、舞台は突然ながらアイスランドからノルウェーに移るのでありまして、距離にして2,572kmも離れているのはいかがなものかと誰が言うのか知らないのでありんすがね、なんせ結構遠いのでありますが、ノルウェイもアイスランドも昔のバイキングたちが冬はとてつもなく寒い北海やノルウェー海を船で渡って作り上げた同じ神話文化圏という共通点と、バイキングのご子孫たちで屈強な肉体と精神を持っていたのかとも(ウフ、素敵〜)思うのでありますが、なんでいきなりVoces Thulesからノルウェイなのかと言われると、youtubeで検索していたら同ジャンルにWardrunaというバンド(?)が出てきて、試しに観てみたら、おや、これってなんか懐かしいげな音楽だけど、すごいミステリアスなパワーで迫ってくるではないか、これはいかがなものかと考えたら、そうなんですよ、お寺の大法要などで多くの僧侶が声をそろえて読経する「諷経(ふうぎん)」のクライマックスを思い浮かべたのでありますが、太鼓や鐘の音も歌もそれらしく聴こえるのは私だけでありやんしょうかが、いかがなものかと思いながらさらに聴いていくとこれは御詠歌ではないかという曲もあり、これはワシの好みにドンズバじゃ、この人らは一体何者じゃいと思ってググったらこの人達の音楽の背景がわかる、いい記事がHMVのインタビュー記事があり、ドンドコドンと腑に落ちたのでありんすよねと同意を求める訳でありますが、ちょいとまとめてお話すると、この人達は正式にはバンドではなくてアイナル・セルヴィク(男性)とリンディ=ファイ・ヘラ(女性)のデュオらしく、ただ、現在のコンサートでは7名編成のようで、後述するが古来の楽器で基本的にインストルメンタルもまとめられているのが凄いのであるが、いかがなものであろうかは下部のリンクからぜひyoutubeでご視聴いただきたいものであるが、彼らの音楽の原点は、当然ながら彼らの民族伝統から由来しており、特に古代ゲルマンのルーン文字からインスパイアされているらしく、そもそもルーン文字は日本では占いの一種で魔術性のある文字と思われているが、言語としては古代ゲルマン語で使われていたゲルマン民族由来のアルファベットでありんして、古代ゲルマンの時代から単なる音素文字ではなく文字自体に大きな意味が隠されていると信じられているらしく、実際に一文字が神、人、家畜、太陽や気象などを象徴するため、この文字自体が北欧ゲルマンの神話や宗教的な儀式、古代の秘密のパワーなど、ゲルマンの生き方や伝統や文化と深く結びついていることから、アイナル氏は単なるフォークロアではなく、ルーン文字を音楽に昇華するとというプロジェクトを立ち上げたて、まったくの彼らのオリジナル音楽を作り上げてきているのであり、そのコンセプトは「人間と自然(神)」というアニミズムを見直すことから、現代の自然破壊の課題に対して彼らなりのアプローチではないかと私なりに勝手に思ったりするのであるが、曲作りへのこだわりは半端でなく、ルーン文字、古代ゲルマン文化を徹底的に研究し、かつ伝統的な楽器であるフレームドラム(片面の太鼓)やゴート・ホルンやボーン・フルートも自分たちで作りあげるなど、いかがなものかというくらいのパワーが感じられるのでありますので、また、この神話の世界はあの「ニーベルングの指輪」や映画化された「指輪物語」にも大きな影響を与えているので、それもイメージしながらぜひともお聴きくださいな。
私が勝手にインスパイアされて選んだ爺セレクシオン、youtubeベスト5
まず第5位は:僧侶の諷経のように私には聴こえたもの。題名は風の詩であるが、詩の中に強大なルーンを称えるところと3本の糸とかがはいっているので、これはオーディン、ヴィリ、ヴェーの最初の神々がくれる力に対して歌っているように解釈しましたが、いかがなものか。
Wardruna - Vindavlarljod(song-wind-bred:風の詩)
4位は:これは北欧神話の王であるオーディンに様々な情報を伝えるために世界中を飛び回っているという一対のワタリガラスであるフギンと(思考)ムニン(記憶)の話から触発されたのではないかと勝手に推測しておりますが、いかがなものか。
Wardruna - Kvitravn (White Raven:白いカラス)
3位は:御詠歌のような哀愁のあるイントロから、徐々にドラムが叩きだす興奮状態にはいっていく。死とか影や暗闇を意味する山の女神であるスカジの詩ではないかと、、、いかがなものかでありんすね。
Wardruna - Skugge (Shadow:影)
では2位は:第1位にしようか迷ったのでありますが、PVとしての出来も出色。ドラムの繰り出すリズムが神の降臨をイメージさせるとともに巫女の祈祷のようなリンディの独特の声がアイナルの歌に重なり印象的。特にリンディが雪の山頂で舞っている姿も印象的なPVで、youtubeでの再生回数は一番かな。
Wardruna - Lyfjaberg (Healing-mountain:癒やしの山)
最後はもちろん第1位〜ドンドコドン:スノッリという13世紀のアイスランドの人が古代ゲルマンの神話を集めたエッダの第一部での話から、ヘルヘイムといわれる地獄へ善き人たちが堕ちていくが、心は救われるという話と思われるがいかがなものか。このPVはライブ映像で、次回とりあげたいと思っているノルウェイの女性歌手でAurora(オーロラ)が共演している。
Wardruna and Aurora - Helvegen (Live)
さて、また次回はいかがなものか?