「ス クーコは房暖」って読まんでくださいな。
これはS-304という機関車で二両のトロッコ列車を引いて、記念館構内の350mを往復運転をする。昭和14年に製造された 工場専用機関車で室蘭の石炭工場でそれこそコークスまみれになって働いていた偉い人なのである。コークスが好きで好きで、今でも積極的にコークスの宣伝をしているのだ。機関車は働かせてもらった恩を忘れないのである。
さて、時間ちょっと屋外の車両を中心に見て、さて、帰ろうかと思って市民バスの時刻表を見たら、なんとこれから1時間半以上もバスが来ないのである。これはいかん。岩見沢行きのバスは3時10分に出るのである。あと40分しかないのだ。加えて、岩見沢行きのバスも40分に1本しかない。バスに合わせながらだと一体何時に小樽に帰れるのか。
そこで、行きのバス停に居たおじさんの言葉「歩いても30分くらいじゃないのぉ。若いしね。」って言葉が頭をよぎった。たぶん、2.何キロってなとこだろうと高をくくって山を下りだしたんだわ。
いやいや、しかしなかなか。登りのバスで見た風景が近づいてこない。あせる。相当の早足状態。しかし、廃線跡の風景はちゃんと撮る。
こちらが記念館に向かう方。
こちらが三笠市内へ向かう方。色がずいぶん違うね。ま、いいか。
こんなおおらかなところも北海道ならではなのである。
しかし、写真を撮っていたら汗がどっと噴き出す。時計を見る、やばい。走るしかない。しかし、走ることを想定していない服装。長ズボンにスニーカーである。暑さも疲れも足に来る。岩見沢行きのバスが早く来るといけないので3時までに着こうとさらにピッチアップ。下りなので助かるのである。いっそ、ヒッチハイクとも思ったが、どうも人見知りするので、通り過ぎるクルマの後ろへ向かって「止まってくれぇ」と祈るがそんなものが通じるわけがない。もの好きがこの暑い中走ってるよってな調子で見られているのだろうな。そういや途中線路を歩いている爺さんが不思議そうな顔をしてワシを眺めていたのである。
ようやく、こんもりとした藪の向こうに三笠市街が見えてきた。もう一息と思った瞬間、とんでもないものを見たのである。
おおお、写真ではちょっと分かりづらいかもしれないが、左側から茶色い線路が来ているのが分かるだろうか?
それが、道路の手前で土手に消えているではないか。実はこの線路そのままこの先にある幌内鉄道を測量した鉄道技師クロフォード氏を記念したクロフォード公園に繋がっているのであるが、その上になんか道路を被せちゃったわけである。この辺は、やはり北海道はおおらかなのである。
本当はクロフォード公園も寄って行きたがったが、何しろこっちとら、時間がねぇんだよ、旦那。それそれ、急ぎやがれぇってな調子で走るは走る。韋駄天とはワシのことだとばかりに飛び出すが、幾春別川を渡るときに橋の欄干にとぐろを巻いているものがある。これはストップである。
アンモナイトである。アンモナイトロードだよ。覚えてますかい。これもばっちり写真に撮って、市民センターへ3時ちょうど到着。約30分での走破であった。帰ってから距離を測ってみたらなんと3.8kmもあった。どうりで遠いはず。普通の歩きなら45~50分くらいかかるだろう。
心配していたバスの到着はほぼ時刻表とおりの3時8分。約2分の時間調整をしっかりおこなって、バスは無事にワシを乗せて岩見沢へ旅立ったのである。
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