歯科医でんた先生のつぶやき

でんた先生の歯科の様々な疑問へのつぶやき。

なぜ虫歯は減らないのか③

2018-02-03 22:38:49 | 日記
 今日は節分です。恵方巻きや年の数だけの豆を皆さんも召し上がったでしょうか。

 さて、今日は前回の続きです。

 三つ目の細菌についてですが、虫歯は細菌の感染症で細菌の産生する酸により溶かされていくことや、その毒素で歯周組織が破壊されていくことは皆さんご承知のとうりです。しかし、細菌はいわゆる常在菌であり誰の口の中にも存在するものです。決して特殊なウイルスや細菌ではありません。生まれたての赤ちゃんの口腔内には細菌が存在しません。それが母親からのスプーンなどによる感染や様々な場面で口腔内に色々な種類の細菌叢が入り込んできて口腔内情在菌になっていきます。従って母子感染を防ぐことにより口腔内の細菌数を増やさないことは理論上可能です。しかし完全にシャットアウトは出来ません。また大人になり様々な場面で口腔内の細菌の交差感染になることもあります。(ある大学の細菌学の教授が授業でラップ越しにOOをと冗談を言われたそうです)従って口腔内の細菌を0には出来ませんが新しく入ってきた細菌を定着させないような口腔内環境を作ることは可能ではないかと思います。これにはいわゆる免疫力が関わってきます。(これキーワードです)

 四つ目の時間ですが、これは歯が酸に触れている時間の経過を言います。昔コーラの中に歯をつけていると溶けてしまう実験がありましたがそのようなイメージです。これは食事の後30分程して口腔内の酸性度の上がる前に歯磨きをすると良いとか色々対策がありますが、僕が思うのは基本的にその人の口腔内の酸性度がどうあるかだと思います。ヒトは中性かやや酸性の状態であると言われていますが、口腔内は常に限りなく中性の状態を保つように体を安定させることにあると思います。食生活や体調や唾液の問題がその解決の糸口となります。(これもキーワード)

 これらの4つの輪が絡み合って虫歯にはなるのですが、それぞれの輪は極端なことを言えば輪を限りなく小さくすることは出来ます。ただそれが出来るのは難しい部分が多いので虫歯になるのではないでしょうか。確かに昭和40年代にはかなりの虫歯罹患率であったのが現在はかなり減少してきています。それぞれの輪の対策がある程度なされているものだと思います。あともう一歩進んでいきたいというジレンマで考えてきてひとつの結論が出ました。
 次回結論です。(すでに言われていることですので大袈裟かも・・)