次世代へのメッセージ②

　　考える力をどう身につけるか
　考えるためには、知識という素養が不可欠です。さらに物事の善し悪しを判断できる価値観が備わっている必要があります。それを手に入れるには、先人達の知恵を学び、あるいは歴史からの失敗や成功を学び事が大事になります。得てして、直感だけで好き嫌いや、善し悪しを決めてしまいがちです。しかし、それだけでは先人達がの失敗と同じことを繰り返して、大きな過ちを犯してしまいます。ですから、何をどう考えるかの道筋を歴史に学び、失敗を二度と繰り返さずに、より時代に即した判断をしていくことが求められます。
　ただし、時代は数年したらたちまち変わってしまうこともあります。つまり、数年でその判断が通用しなくなってしまうこともあります。そのため、過去の歴史を掘り起こして模倣するだけではなく、その手法や方法論から、より長い時間にも通用するような手段を学ぶ必要があります。それを科学的普遍性といいます。こうした手法で、より多くの先人達の寄り優れた、長い時間に耐えられる考え方の手法を学ぶことで、私たちは考える力を身につけることができます。
　さらに重要なことは、どこに価値を置くかです。特定の個人の幸福だけが幸せになれれば良いというところに価値を置くか。他国と戦い、領土を拡大することに価値を置くか、家族の幸せに価値を置くか。人の数だけ夢や欲望や希望はあります。より狭い、小さい、より少ない内容かも知れませんし、一人だけの贅沢かもしれません。どこに価値を置くかは個人の自由です。それは誰にも制約を受けるべきことでもありません。また、その内容を変更するように強制されるものでもありません。もし、個人が抑圧される社会であれば、それは、より個人が自由でいられる社会へと改めるべきです。このことを考えていくと、最低限個人が一人一人抑圧を受けること、あるいは自分の意志に反して個人が一切の強制を受けることのない状態は、より普遍性があり良い社会だということになります。理想の社会を思い描くとき、自分個人だけでは生きてはいけません。つまり、よりよいと思われる社会が、万人にとっても個人にとっても共通に普遍的にいうことができて、相手を抑圧や強制することなく、自分もそのように振る舞えればより良い社会といえてきます。
　みなさんも、このことに注意を払って理想の社会都は、あるいはよりよい社会都はどんな社会化をかんがえてみるとよいでしょう。こうして、さまざまなテーマを自分に課してみて、その考えを先人達の知恵からもらい受け、さらにその延長へと引き延ばしてみると、考える力が身についてきます。ぜひ、やってみてください。