前作の続編ですが、期待を裏切りません。
最初から大迫力の戦闘シーンが有り、退屈させません。
見ていて思ったのが、昔から人間は、野蛮な動物で、基本何にも変わらない。
この映画の基本理念は、独裁を倒し、民主主義を確立するです。
独裁は、政治が混沌としている時には、強権的に安定させるのには、
有効ですが、安定してくると、いろんな人間の意見を、
聞かなくてはいけなくなり、民主主義に移行していきます。
しかし、独裁者が、一旦、実権を握ってしまうと、欲望が止まらなくて、
手放さなくなり、他人の意見を聞かななくなる。
それでも、経済が上手くいっている時は、あまり文句は出ないが、
大抵、それが長く続き過ぎると、政治が腐敗してくるのが常です。
近しい所の、どこぞの国や県、市町単位でもそれは起こっています。
前回のグラディエーターでは、ラッセルクロウが主人公でしたが、
今回は、一応、ラッセルクロウの息子が後を継ぐ感じにはなっていますが、
本来の主人公は、悪役として、いい味を出している、
デンゼル・ワシントンです。
デンゼル・ワシントンの演技は、目線がとってもいい。
目的がはっきりしていて、意志が強く、とってもクールです。
物事を実行する時に、迷いが無い、そして常に何手か先を読んでいる。
それでいて、日頃は穏やかで、愛想のいい笑みを浮かべている。
その変化が、余計に、冷酷さを強調している。
とっても、カッコイイです。
この時代の野蛮な戦いだけ見ていては、飽きて来るのを、
彼の演技が、要所を締めている。
そこは、リドリースコット監督の上手い所です。
後は、皇帝の兄弟の異常性を演じていたお二人も、良かったです。
いつの時代も、どこにでも、こういう人間が現れて、そういう異常行動を
カリスマ性と勘違いしてしまい、民衆は付いて行ってしまう。
それを煽り立てる、ナチスドイツの宣伝相のゲッペルスのような人間が、
演出し、民衆を洗脳してしまう。
しかし、現代になって、ITのお陰で、
あらゆる所から情報が入るようになり、
一人一人が考えられるようになった結果が、
この前の兵庫県知事選挙だと思います。
これからは、映画やテレビも含めて、細かく検証をされてしまうから、
創る側も難しいでしょうね。
それだけに、見る側も、いろんな方向からの情報を、
バイアス無く取り入れて、
取捨選択できるリテラシーが必要となるでしょう。
その為にも、基礎的な知識となる、義務教育だけでも、
しっかり頭に入れるべきだと思います。
それが無い人ほど、自分が知っているか、
都合のいい好きな知識だけを取り入れるようになり、
またまた洗脳されやすくなっています。
まあ、それが、ローマ時代からの為政者の狙いなのでしょうけどね。