一番分かりやすいのは、本来果物だったんですが、
最近は季節感なんて、どこかに行ってしまいました。
一年中売っている苺なんかが、いい例でしょう。
そして、私の大好きなイチジクは夏前の一時のはずだったんですが、
最近は11月入っても売っています。
すいかも、春ごろから売ってるし、その上、ちゃんと甘い。
昔はしっかり暑くならないと、甘さなんて無かったです。
熟して甘くなってくると、それによって季節を感じていました。
昔は、野菜にしろ、果物にしろ、今よりはるかに種類が少なかったから、
余計に、季節の変化が分かりやすかったです。
季節が進むにつれて、見た目も味も変化していく。
だから、一番美味しい時が一瞬しかなく、ほとんどが外れでした。
だからこそ、美味しい物の価値がしっかり有りました。
まずいが普通で、旨いが希少でした、今は旨くて当たり前になっています。
そういう意味で、逆に言えば今の人達は、可哀想だと思います。
美味しい時の感動が、小さくなってしまう。
常に旨味を感じていたいとの思いが、分かりやすい、
強い味が旨いと思ってしまうのかもしれません。
その結果それに慣れてしまい、その結果、味覚障害を起こし、
味覚のリハビリなんて事を、しなくてはいけない事になってしまいます。
自然を、あんまり感じる事が少ない都会に慣れてしまうと、
人間の五感がリセットされなくなり、
それ自体がストレスになっているのかもしれません。
私のお勧めの簡単なストレス解消法は、近くの公園にでも行って、
何の木でもいいですから、抱きつき、
そして、この野郎と言って、投げ飛ばそうとする、引っこ抜こうとする。
その上、頭突きをして、噛みつく、舐める、あらゆる悪逆非道を尽くす。
ただし、道具は使ってはいけません、自分の身ひとつです。
しかしそこに立っている樹木さんは、泰然自若と受け止めてくれるでしょう。
他の人に見られると、かなり危ない人になってしまいますが、
気にしないで下さい、サスティナブルです、SDGSです、オーガニックです。
秋魚の味と匂いを強烈に感じたければ、焼いたサンマの腹の部分を、
丸かぶりして、内臓ごと食べることです、あの味こそ本当のサンマです。
最近はそれができる人が少なくなりました、旨いんですけどねーー。
最後に、カラスも食わない渋柿をかじれば、極めつけです。
それこそ自然の中の、秋の味覚だと思います。
現代は、人間のわがままを通し過ぎて、不自然になり、
おいしい物を余計に遠ざけているように思います。
不憫な生物です。