ITが変わる、医師が変わる【カルテ活用が改革のカギ】
カルテ情報共有で、医師淘汰の時代に◆Vol.1
質向上と効率化進む、課題は意識改革
2013年7月29日 橋本佳子(m3.com編集長)
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「佐藤さん、この前、A病院で受けた手術後の経過は良好ですね。その後の化学療法でも、今のところあまり副作用が出ておらず、何よりです。今日からは当院でフォローします」。BクリニックのB医師は、A病院の佐藤さんのカルテを、自らの診察室のパソコンに呼び出しながら、こう話しかける――。
病診連携は日々進化、紹介状だけなく、カルテなどの診療情報そのものをインターネットで共有しながら、基幹病院とかかりつけ医が共同で一人の患者の診察に当たるスタイルも登場。人口の高齢化に伴い、複数の疾患を持つ患者も増え、重複検査や重複投薬を避けるためにも診療情報を共有する重要性が増している。医療の高度化に伴う専門的医療の集約化が進む中、ネットで同じカルテを見ながら、遠隔地の専門医のアドバイスをリアルタイムで仰ぐことも可能だ。
その最新の動きとして注目されるのが、宮城県の「みやぎ医療福祉情報ネットワーク」(MMWIN)。この7月から石巻と気仙沼の2つの医療圏で、病医院や介護施設などの間で、診療情報を共有する取り組みを開始した(Vol.2◆「MYカルテ」、全国に先駆け宮城で実現)。2014年度中には全県下に広げる計画だ。「情報共有」は、双方向。病院だけでなく、診療所の情報も共有する。MMWINは、カルテのバックアップ機能も果たす。東日本大震災では甚大な被害を受け、カルテを津波で流された医療機関も多い。次なる災害への危機意識が、東北大学、医師会をはじめ、関係団体が一致団結した取り組みにつながった。
超高齢社会を迎え、医療や介護を含めた街作りのモデル事業として進められているのが、千葉県の「柏プロジェクト」(Vol.3◆「柏プロジェクト」、東大の支援で情報連携)。柏市のほか、東京大学高齢社会総合研究機構などが推進する。同プロジェクトでも、医療と介護の情報共有の実証研究を進めており、「柏ルール」を今年度中にまとめる予定だ。
早くから病診連携における情報共有に取り組んできた、長崎県の「あじさいネット」も負けてはいない。参加施設も長崎全県下に拡大、遠隔医療やネットを介したカンファレンスなど、さまざまな機能を付加して「進化」を続けている(Vol.4◆進化し続ける、長崎「あじさいネット」)。
民間レベルでEHR構築進む
ここで共有すべきは、医療機関の診療情報に限らない。生活習慣病や慢性疾患の改善には、患者のセルフケアも重要。食事や運動の記録ほか、血圧データなど、日々の健康情報をスマートフォンなどで記録、それを診療情報に統合させれば、ひいてはこうしたデータの蓄積を生涯続ければ、「点」ではなく、「線」と「面」のつながりを持つ、EHR(electric health record)が完成する。
EHRは国家プロジェクトのように思えるが、民間で独自に「できるところから」という現実路線で進めているのが、千葉県の習志野台整形外科内科。企業と共同で「QOLMS」というプラットホーム作りに乗り出す。患者が自ら診療情報を携帯し、受診時や救急時などに使える「命のMICカード」の開発も進めている。IT技術の発達で、システム開発が安価にかつ容易になり、発想次第で現場発のさまざまな取り組みが可能なことを示す好例だ(Vol.5◆「命のMICカード」独自開発、習志野・宮川氏)。
茨城県の筑波メディカルセンター病院の小児科が、地域のかかりつけ医と進めているのが、「T-PAN」というネットワーク。特徴は、アレルギー疾患の患児の保護者に、気管支喘息などの日々の状態を携帯電話やスマートフォンで入力してもらい、それを診察時に活用している点。保護者は、デジタルネイティブ世代。「継続的な管理が必要なアレルギー疾患とスマホ」という組み合わせが奏功している(Vol.6◆スマホでアレルギー疾患管理、筑波)。
1995年に日本の病院でいち早く電子カルテを導入したことで知られる、千葉県の亀田総合病院。2013年度からシステムの全面刷新に着手。それが「AoLaniプロジェクト」だ。2014年中に電子カルテのフルモデルチェンジを終える予定で、最終的に目指すのは、「1国民、1ヘルスケアデータベースの全国展開」(Vol.7◆「1国民、1カルテ」が改革の「1丁目1番地」)。
カルテ情報はビックデータ
カルテ等の診療情報を「ビックデータ」として扱えば、サンプリング調査でなく、全数調査も可能で、臨床研究の発展も期待できる。実診療データに基づくガイドライン作成のほか、合併症の発生頻度や予後のリスクモデルを構築することなども可能だ。
こうした取り組みに既に着手しているのが、全国で展開する病院チェーン、徳洲会グループ。66病院中、一般病床を持つ47病院(今年中には49病院に拡大予定)に同一の電子カルテを導入。既に蓄積している症例は、約820万症例に上る。ビックデータとしての本格的解析はこれからだが、既に癌の化学療法では、約240の標準レジメンを採用、癌の種類やステージ等により、個々の患者に適用すべき標準レジメンが電子カルテ上で表示されるほか、副作用が発生した場合でも予想されたものなのかなど、医師の臨床判断を支援するツールになっている(Vol.8◆820万人分の患者DB構築、徳洲会)。
保険者の立場で、レセプト情報を分析し、それを被保険者への保健指導や医療費適正化につなげているのが、広島県呉市の国保だ。後発医薬品の「使用促進通知」の実施など、先進的な国保として知られる呉市国保は、人工透析の新規導入をできるだけ減らすため、その予備群となる対象者をピップアックし、個別に指導する取り組みなどを始めている(Vol.9◆レセデータで人工透析を減らせ!呉市)。
最大のネックは医療者の意識
ITを使えば、カルテなどの各種情報は、時間と空間の壁を超えて、EHR構築につながり、活用の可能性は際限なく広がる。
当然ながら、「全情報を、全員が共有」するわけではない。いつ、誰が、どのように、どんな情報共有し、どのように活用するか、それはまだ検討の途にある。ここで紹介した事例でも、患者とのカルテ情報の共有について、「全てを常に閲覧できる仕組みにすべき」とする意見もあれば、「開示請求があれば、もちろん開示する。しかし、日常診療では、かかりつけ医などを“通訳者”として介して説明した方がいいのではないか」との見方も少なくない。
いずれにせよ、各種情報の共有化が進むのは必至。その際、ネックとなると考えられるのが、コスト、個人情報保護、そして関係者の意識の三つだ。コストは技術の進歩により、年々安価にシステム開発ができるようになっている。個人情報保護への十分な配慮も必要だが、100%絶対安全な体制は作り得ない。要は、メリットとリスクの比較考量だろう。
一番のネックとなると想定されるのが、医療者などの関係者の意識ではないか。「1国民、1ヘルスケアデータベースの全国展開」の必要性を説く、亀田総合病院を経営する医療法人鉄薫会理事長の亀田隆明氏は、次のように語る。「医療機関同士が、相互にカルテをチェックできるようになれば、質の悪い医療機関は淘汰される。真に医師同士のピアレビューができるようになる。これを続けていけば、医療の質が上がると同時に、合理化も進めることができる。こうした基盤を作らないで、小手先でやっても大した改革はできず、何よりクオリティーが良くならない。医療者にとっては大変な革命でもある」。情報共有時代は、医師や医療機関の淘汰の時代とも言える。
ここで紹介した8つの事例を、順次紹介していく。
カルテ情報共有で、医師淘汰の時代に◆Vol.1
質向上と効率化進む、課題は意識改革
2013年7月29日 橋本佳子(m3.com編集長)
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「佐藤さん、この前、A病院で受けた手術後の経過は良好ですね。その後の化学療法でも、今のところあまり副作用が出ておらず、何よりです。今日からは当院でフォローします」。BクリニックのB医師は、A病院の佐藤さんのカルテを、自らの診察室のパソコンに呼び出しながら、こう話しかける――。
病診連携は日々進化、紹介状だけなく、カルテなどの診療情報そのものをインターネットで共有しながら、基幹病院とかかりつけ医が共同で一人の患者の診察に当たるスタイルも登場。人口の高齢化に伴い、複数の疾患を持つ患者も増え、重複検査や重複投薬を避けるためにも診療情報を共有する重要性が増している。医療の高度化に伴う専門的医療の集約化が進む中、ネットで同じカルテを見ながら、遠隔地の専門医のアドバイスをリアルタイムで仰ぐことも可能だ。
その最新の動きとして注目されるのが、宮城県の「みやぎ医療福祉情報ネットワーク」(MMWIN)。この7月から石巻と気仙沼の2つの医療圏で、病医院や介護施設などの間で、診療情報を共有する取り組みを開始した(Vol.2◆「MYカルテ」、全国に先駆け宮城で実現)。2014年度中には全県下に広げる計画だ。「情報共有」は、双方向。病院だけでなく、診療所の情報も共有する。MMWINは、カルテのバックアップ機能も果たす。東日本大震災では甚大な被害を受け、カルテを津波で流された医療機関も多い。次なる災害への危機意識が、東北大学、医師会をはじめ、関係団体が一致団結した取り組みにつながった。
超高齢社会を迎え、医療や介護を含めた街作りのモデル事業として進められているのが、千葉県の「柏プロジェクト」(Vol.3◆「柏プロジェクト」、東大の支援で情報連携)。柏市のほか、東京大学高齢社会総合研究機構などが推進する。同プロジェクトでも、医療と介護の情報共有の実証研究を進めており、「柏ルール」を今年度中にまとめる予定だ。
早くから病診連携における情報共有に取り組んできた、長崎県の「あじさいネット」も負けてはいない。参加施設も長崎全県下に拡大、遠隔医療やネットを介したカンファレンスなど、さまざまな機能を付加して「進化」を続けている(Vol.4◆進化し続ける、長崎「あじさいネット」)。
民間レベルでEHR構築進む
ここで共有すべきは、医療機関の診療情報に限らない。生活習慣病や慢性疾患の改善には、患者のセルフケアも重要。食事や運動の記録ほか、血圧データなど、日々の健康情報をスマートフォンなどで記録、それを診療情報に統合させれば、ひいてはこうしたデータの蓄積を生涯続ければ、「点」ではなく、「線」と「面」のつながりを持つ、EHR(electric health record)が完成する。
EHRは国家プロジェクトのように思えるが、民間で独自に「できるところから」という現実路線で進めているのが、千葉県の習志野台整形外科内科。企業と共同で「QOLMS」というプラットホーム作りに乗り出す。患者が自ら診療情報を携帯し、受診時や救急時などに使える「命のMICカード」の開発も進めている。IT技術の発達で、システム開発が安価にかつ容易になり、発想次第で現場発のさまざまな取り組みが可能なことを示す好例だ(Vol.5◆「命のMICカード」独自開発、習志野・宮川氏)。
茨城県の筑波メディカルセンター病院の小児科が、地域のかかりつけ医と進めているのが、「T-PAN」というネットワーク。特徴は、アレルギー疾患の患児の保護者に、気管支喘息などの日々の状態を携帯電話やスマートフォンで入力してもらい、それを診察時に活用している点。保護者は、デジタルネイティブ世代。「継続的な管理が必要なアレルギー疾患とスマホ」という組み合わせが奏功している(Vol.6◆スマホでアレルギー疾患管理、筑波)。
1995年に日本の病院でいち早く電子カルテを導入したことで知られる、千葉県の亀田総合病院。2013年度からシステムの全面刷新に着手。それが「AoLaniプロジェクト」だ。2014年中に電子カルテのフルモデルチェンジを終える予定で、最終的に目指すのは、「1国民、1ヘルスケアデータベースの全国展開」(Vol.7◆「1国民、1カルテ」が改革の「1丁目1番地」)。
カルテ情報はビックデータ
カルテ等の診療情報を「ビックデータ」として扱えば、サンプリング調査でなく、全数調査も可能で、臨床研究の発展も期待できる。実診療データに基づくガイドライン作成のほか、合併症の発生頻度や予後のリスクモデルを構築することなども可能だ。
こうした取り組みに既に着手しているのが、全国で展開する病院チェーン、徳洲会グループ。66病院中、一般病床を持つ47病院(今年中には49病院に拡大予定)に同一の電子カルテを導入。既に蓄積している症例は、約820万症例に上る。ビックデータとしての本格的解析はこれからだが、既に癌の化学療法では、約240の標準レジメンを採用、癌の種類やステージ等により、個々の患者に適用すべき標準レジメンが電子カルテ上で表示されるほか、副作用が発生した場合でも予想されたものなのかなど、医師の臨床判断を支援するツールになっている(Vol.8◆820万人分の患者DB構築、徳洲会)。
保険者の立場で、レセプト情報を分析し、それを被保険者への保健指導や医療費適正化につなげているのが、広島県呉市の国保だ。後発医薬品の「使用促進通知」の実施など、先進的な国保として知られる呉市国保は、人工透析の新規導入をできるだけ減らすため、その予備群となる対象者をピップアックし、個別に指導する取り組みなどを始めている(Vol.9◆レセデータで人工透析を減らせ!呉市)。
最大のネックは医療者の意識
ITを使えば、カルテなどの各種情報は、時間と空間の壁を超えて、EHR構築につながり、活用の可能性は際限なく広がる。
当然ながら、「全情報を、全員が共有」するわけではない。いつ、誰が、どのように、どんな情報共有し、どのように活用するか、それはまだ検討の途にある。ここで紹介した事例でも、患者とのカルテ情報の共有について、「全てを常に閲覧できる仕組みにすべき」とする意見もあれば、「開示請求があれば、もちろん開示する。しかし、日常診療では、かかりつけ医などを“通訳者”として介して説明した方がいいのではないか」との見方も少なくない。
いずれにせよ、各種情報の共有化が進むのは必至。その際、ネックとなると考えられるのが、コスト、個人情報保護、そして関係者の意識の三つだ。コストは技術の進歩により、年々安価にシステム開発ができるようになっている。個人情報保護への十分な配慮も必要だが、100%絶対安全な体制は作り得ない。要は、メリットとリスクの比較考量だろう。
一番のネックとなると想定されるのが、医療者などの関係者の意識ではないか。「1国民、1ヘルスケアデータベースの全国展開」の必要性を説く、亀田総合病院を経営する医療法人鉄薫会理事長の亀田隆明氏は、次のように語る。「医療機関同士が、相互にカルテをチェックできるようになれば、質の悪い医療機関は淘汰される。真に医師同士のピアレビューができるようになる。これを続けていけば、医療の質が上がると同時に、合理化も進めることができる。こうした基盤を作らないで、小手先でやっても大した改革はできず、何よりクオリティーが良くならない。医療者にとっては大変な革命でもある」。情報共有時代は、医師や医療機関の淘汰の時代とも言える。
ここで紹介した8つの事例を、順次紹介していく。
Abstracts and presentations are embargoed for release at date and time of presentation or time of AHA/ASA news event. Information may not be released before then. Failure to honor embargo policies will result in the abstract being withdrawn and barred from presentation.
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Resuscitation Science Symposium
Session Title: Session IV: Best Original Resuscitation Science Poster Session
Abstract 27: Novel Use of Wireless 12-Lead Electrocardiogram Transmission in a Prehospital Setting
Go Nishikawa1; Hiroshi Nonogi2; Noriko Mori2; Yoko Matsuo2; Shiro Shimizu2; Toshiko Oda2; Osamu Doi2; Hirofumi Kambara2
1 Nephrology, Shizuoka General Hosp, Shizuoka, Japan
2 Shizuoka General Hosp, Shizuoka, Japan
Introduction The AHA/ACC guidelines recommend pre-hospital 12-lead electrocardiogram (ECG) transmission to a percutaneous coronary intervention (PCI) hospital to facilitate the care of patients with acute coronary syndrome. We created a handheld wireless 12-lead ECG transmission system called Fujiyama involving Cardiospy® Mobile, a handheld 12-lead ECG recording device. Fujiyama functions by transmitting the ECG from Cardiospy® Mobile to a smartphone through Bluetooth wireless technology, converting the ECG to MFER(Medical Waveform Format Encoding Rule)/JPEG, and sending it to a designated email address using ubiquitous and standard network.
Hypothesis We predicted that our smaller device will be equally efficacious in transmitting accurate data as the current portable ECG recording device used in the healthcare industry.
Methods We recorded and transmitted 12-lead ECGs using our device from a moving vehicle (simulating an ambulance), and investigated the influences of road turbulence, body movements, fast driving, as well as transmission time and accuracy by comparing ECGs recorded in a hospital setting. Furthermore, after approval from the institutional review board, the device was tested on 24 actual patients (4 emergency room, 5 clinic, 4 home hemodialysis, 11 visiting nurse care) transmitting ECGs to the attending cardiologist of a PCI hospital.
Results There were no significant ECG differences found between sent and received ECGs, and vehicle speed did not affect the baseline ECG. Body movement, blood pressure measurement and cardiac compression caused the baseline to wander to some extent, but did not affect ECG interpretation. The transmission time of a 250-350 KB file was 7-95 s (median 23 s), short enough for emergency settings. Transmission rate of the 24 ECGs was 100 %, and only one had significant interference from appliances and peripheral equipment.
Conclusions As far as we know, this system is the first wireless 12-lead ECG recording and transfer device in this weight (150 g, including batteries) and size category (70 x 38 x 125 mm). In conclusion, successful implementation of this system may improve the communication and care of patients with acute coronary syndrome in various settings, including emergency pre-hospital care.
Author Disclosures: G. Nishikawa: None. H. Nonogi: None. N. Mori: None. Y. Matsuo: None. S. Shimizu: None. T. Oda: None. O. Doi: None. H. Kambara: None.
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Resuscitation Science Symposium
Session Title: Session IV: Best Original Resuscitation Science Poster Session
Abstract 27: Novel Use of Wireless 12-Lead Electrocardiogram Transmission in a Prehospital Setting
Go Nishikawa1; Hiroshi Nonogi2; Noriko Mori2; Yoko Matsuo2; Shiro Shimizu2; Toshiko Oda2; Osamu Doi2; Hirofumi Kambara2
1 Nephrology, Shizuoka General Hosp, Shizuoka, Japan
2 Shizuoka General Hosp, Shizuoka, Japan
Introduction The AHA/ACC guidelines recommend pre-hospital 12-lead electrocardiogram (ECG) transmission to a percutaneous coronary intervention (PCI) hospital to facilitate the care of patients with acute coronary syndrome. We created a handheld wireless 12-lead ECG transmission system called Fujiyama involving Cardiospy® Mobile, a handheld 12-lead ECG recording device. Fujiyama functions by transmitting the ECG from Cardiospy® Mobile to a smartphone through Bluetooth wireless technology, converting the ECG to MFER(Medical Waveform Format Encoding Rule)/JPEG, and sending it to a designated email address using ubiquitous and standard network.
Hypothesis We predicted that our smaller device will be equally efficacious in transmitting accurate data as the current portable ECG recording device used in the healthcare industry.
Methods We recorded and transmitted 12-lead ECGs using our device from a moving vehicle (simulating an ambulance), and investigated the influences of road turbulence, body movements, fast driving, as well as transmission time and accuracy by comparing ECGs recorded in a hospital setting. Furthermore, after approval from the institutional review board, the device was tested on 24 actual patients (4 emergency room, 5 clinic, 4 home hemodialysis, 11 visiting nurse care) transmitting ECGs to the attending cardiologist of a PCI hospital.
Results There were no significant ECG differences found between sent and received ECGs, and vehicle speed did not affect the baseline ECG. Body movement, blood pressure measurement and cardiac compression caused the baseline to wander to some extent, but did not affect ECG interpretation. The transmission time of a 250-350 KB file was 7-95 s (median 23 s), short enough for emergency settings. Transmission rate of the 24 ECGs was 100 %, and only one had significant interference from appliances and peripheral equipment.
Conclusions As far as we know, this system is the first wireless 12-lead ECG recording and transfer device in this weight (150 g, including batteries) and size category (70 x 38 x 125 mm). In conclusion, successful implementation of this system may improve the communication and care of patients with acute coronary syndrome in various settings, including emergency pre-hospital care.
Author Disclosures: G. Nishikawa: None. H. Nonogi: None. N. Mori: None. Y. Matsuo: None. S. Shimizu: None. T. Oda: None. O. Doi: None. H. Kambara: None.
日本の最大の問題点
戦後の自民党が日本の良さを消し去った。更に、補助金、銀行および大企業の横暴で、良き日本が消える。創意工夫、小さな発明、芸術的製品が消えてしまった。
米国・欧州は、個人企業がほとんどであり、その中から、最先端技術が生まれている。今の日本はそのような個人企業を消し去ろうと法律を次から次と作る。
問屋制家内工業(といやせいかないこうぎょう)
は、商人から原材料の前貸しを受けた小生産者が自宅で加工を行う工業形態のこと。それ以前の手工業と技術的な差はないものの、工程ごとの分業が可能になったことで生産性が向上した。一方で生産者による原材料の着服を防げないという欠点もあった。
問屋制度にもっとも適合的な形態として、特に繊維業において発展した。生産者の規模が大きくなればマニュファクチュアとよばれる工場制手工業へと発展する場合も見られたが、両者は問屋制度を前提とする点で差はなく、機械制大工業によってともに衰退するまでマニュファクチュアと家内工業は並行して存在した。
生産性や生産者の立場から、中世における自営・自立的手工業と近代的な工場制機械工業の過渡的形態とされる。
商店街はなぜ滅びるのか
近頃では町の商店街というとシャッター通りと言われるように寂れてしまう典型のように思われている。そうした商店街を社会・政治・経済史から分析、評価そして再生の道を指し示す書である。「商店街はなぜ滅びるのか」(光文社新書)は気鋭の社会学者である新雅史が書き下ろした非常に読み応えのある良書である。
著者は1973年生まれだからもうすぐ40歳という若手の研究者である。われわれは何となく商店街というと古めかしい、旧態の存在だという先入観がある。だから、古いがゆえに時代とともに消えていくものだと普通に思ってしまう。ところが著者はそこに異議を唱える。商店街は20世紀になって作られた比較的新しいものであるというのである。それがゆえに、どうやって商店街が形成され、隆盛し衰退したのかを解説していく。
だから、単なる商店街の存亡の歩みというわけではなく、そのときどきの社会を反映したものとして捉えるのでさながら戦後の社会史となっている。本では、1920年~1945年を胎動期、1946年~1973年を安定期、1974年以降を崩壊期と規定している。商店街の胎動は第一次世界大戦後に起こった。農村部から都市部へと流れ出る人々を中間層化して社会秩序に統合する目的だったという。大戦後の不況にあえぐ農民が都市へと移動したが、彼らは製造業では受け入れられずに零細小売業として増加していくのである。
http://www.medicalteknika.jp/
戦後の自民党が日本の良さを消し去った。更に、補助金、銀行および大企業の横暴で、良き日本が消える。創意工夫、小さな発明、芸術的製品が消えてしまった。
米国・欧州は、個人企業がほとんどであり、その中から、最先端技術が生まれている。今の日本はそのような個人企業を消し去ろうと法律を次から次と作る。
問屋制家内工業(といやせいかないこうぎょう)
は、商人から原材料の前貸しを受けた小生産者が自宅で加工を行う工業形態のこと。それ以前の手工業と技術的な差はないものの、工程ごとの分業が可能になったことで生産性が向上した。一方で生産者による原材料の着服を防げないという欠点もあった。
問屋制度にもっとも適合的な形態として、特に繊維業において発展した。生産者の規模が大きくなればマニュファクチュアとよばれる工場制手工業へと発展する場合も見られたが、両者は問屋制度を前提とする点で差はなく、機械制大工業によってともに衰退するまでマニュファクチュアと家内工業は並行して存在した。
生産性や生産者の立場から、中世における自営・自立的手工業と近代的な工場制機械工業の過渡的形態とされる。
商店街はなぜ滅びるのか
近頃では町の商店街というとシャッター通りと言われるように寂れてしまう典型のように思われている。そうした商店街を社会・政治・経済史から分析、評価そして再生の道を指し示す書である。「商店街はなぜ滅びるのか」(光文社新書)は気鋭の社会学者である新雅史が書き下ろした非常に読み応えのある良書である。
著者は1973年生まれだからもうすぐ40歳という若手の研究者である。われわれは何となく商店街というと古めかしい、旧態の存在だという先入観がある。だから、古いがゆえに時代とともに消えていくものだと普通に思ってしまう。ところが著者はそこに異議を唱える。商店街は20世紀になって作られた比較的新しいものであるというのである。それがゆえに、どうやって商店街が形成され、隆盛し衰退したのかを解説していく。
だから、単なる商店街の存亡の歩みというわけではなく、そのときどきの社会を反映したものとして捉えるのでさながら戦後の社会史となっている。本では、1920年~1945年を胎動期、1946年~1973年を安定期、1974年以降を崩壊期と規定している。商店街の胎動は第一次世界大戦後に起こった。農村部から都市部へと流れ出る人々を中間層化して社会秩序に統合する目的だったという。大戦後の不況にあえぐ農民が都市へと移動したが、彼らは製造業では受け入れられずに零細小売業として増加していくのである。
http://www.medicalteknika.jp/
先進的ICT遠隔医療システム(IMIZUNO-HOME)
入院に近い安心在宅医療
射水市民病院の地域医療室では最新の情報通信技術(ICT)を用いて、医師や看護師が病院にいながら、 いつでも在宅患者さんとスクリーンを介して向き合い病状を聴き、高画質カメラにより表情や体の状態を観察することができます。患者さんが自宅のベッドに寝ているだけで電極を付けなくとも、心拍・呼吸・体温・睡眠情報が計測され病院に転送されるため、革新的な遠隔医療が可能になりました。
在宅用いみず野システム
IMIZUNO-HOME(The Innovative MonitorIng Zone Under Network Observation for HOme MEdicine)
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ICTユビキタス・ホスピタルタウン射水プロジェクト
1.プロジェクト立ち上げの背景と経緯
射水市の高齢化率は現在21%、10年後にはこれが約28%に到達する高齢化社会を迎える。射水市における高齢者の罹患する疾患の第一位は循環器疾患(脳血管障害を含む)で全体の33.5%を占める。さらに整形外科疾患、眼科疾患などを含めると、身体活動を制限する疾病の割合はおよそ6割である。これらの患者では高齢化とともに通院治療が大変になるため、在宅医療のニーズは今後ますます高まることが予想される。
しかし、現状では在宅医療の普及は遅れており、これを担う人材もまた不足している。市町村合併により医療圏が広域化したにもかかわらず、現在の在宅診療は従来型の往診診療に頼らざるを得ない状況にある。従来型在宅診療は高齢医師にとっては体力的制約が大きく、また若い医師にとっては魅力に乏しいことも、在宅医療の普及を妨げている可能性がある。今日、医療におけるIT化は電子カルテに代表されるように、診療情報のオンライン化、共有化を可能にした。さらに、この10年で普及したブローバンドのインターネットを組み合わせることで、診療情報を瞬時に医療施設間で共有できる医療連携のIT化へと発展してきた。しかし、在宅医療において最も重要となる、患者の病状に関する情報収集へのICTの普及は大変遅れている現状である。
射水市民病院は最新のICTを応用し、たとえ在宅患者が医療機関や訪問看護ステーションからどれだけ離れていようと、いつでも患者の病状を適確に把握できる、新しい遠隔在宅医療支援システムの実用化を計画してきた。幸い、平成21年総務省が進めるICTを活用した地域住民の安心・安全のためのまちづくり「ユビキタスタウン構想推進事業」に、新しい遠隔在宅医療支援プロジェクト「ICTユビキタス・ホスピタルタウン射水プロジェクト」が、特に評価が高い重要案件「ランクA」として採択された(図1)。
図1 【ICTユビキタス・ホスピタルタウン射水プロジェクト】
「ICTユビキタス・ホスピタルタウン射水プロジェクト」は、射水市全体を一つの病院にみたて、医師のいる市民病院や診療所を「病院の医局」、訪問看護ステーションを「病院のナースセンター」、患者の自宅を「病室」として、医師・看護師・患者間の空間的距離を、ICTを活用した生体情報計測転送システムと双方向性音声画像転送システムにより短縮するものである。これは、平成18年に射水市民病院と金沢大学工学部が共同開発し、すでに当院の特別個室(501号室)に設置されている、無意識無拘束生体情報モニターシステムを用いた「ネットワーク観察下にある革新的モニター空間:いみず野」(Innovative MonitorIng Zone Under Network Observation: IMIZUNO)の遠隔在宅医療への応用であり、これを「在宅用いみず野システム」(Innovative MonitorIng Zone Under Network Observation for HOme MEdicine: IMIZUNO-HOME)と呼ぶことにする。このシステムを用いて医師や看護師は、病院や訪問看護ステーションにいながら、スクリーンを介して在宅患者と向かい合い、病状を聴き取り、高画質テレビカメラにより患者の表情や体の状態を観察することができる。さらに、患者が自宅のベッドに寝ているだけで、患者の心拍・呼吸・体温などの生体情報を毎日病院へ転送し、解析・保存することができるため、遠隔在宅診断が可能となる。
2.IMIZUNO-HOMEシステムの概要
本システムは生体情報モニタリングシステム、双方向性音声画像転送システム、およびWeb記録システムの三つから構成される。
1) 生体情報モニタリングシステム(Biosignal monitoring system)
患者のベッドにセンサを設置することにより、心拍数、呼吸数、体温、臥床時の体圧分布、および臥床時間を自動計測できるシステムである。ベッドに取り付けるセンサはピロータイプセンサとシーツタイプセンサで構成されている(図2)。ピローセンサは脈拍・呼吸・体動を、シーツセンサは体温・体圧分布、臥床時間を長時間モニターすることができる。いずれも身体に一切電極を装着することなく、患者がベッドに寝るだけで各種生体情報が計測できる点が優れている。計測された生体情報は逐次インターネットを介してサーバに転送され、射水市民病院地域連携室のコンピュータで自動解析される。結果(図3:呼吸数、心拍数、体温、血圧、体圧マップ、臥床時間)は実時間で表示されるだけでなく、毎日三測表に書き込まれ更新される。自動作成された三測表から在宅主治医や訪問看護師は、患者の心拍・呼吸・血圧の異常、発熱あるいは褥瘡を発生させる体圧分布異常を早期に発見することができ、適切な対策を講ずることができる。数分間に及ぶ呼吸停止など致死的状況が患者に生じた場合には、このシステムが即座に家族と主治医の携帯電話にアラームメールを送るようセットされている。
この三測表には、毎日看護師がハイビジョンテレビ電話を介して患者や家族から聴取した食事・排便・排尿・服薬状況や体調なども書き込むことができる(図3)。丁度、入院中に看護師が毎日病室を回って病状を聴き、体温・脈拍数・患者の状態などを三測表に書き込んでいる状況に相当する(看護師によるネット在宅巡回)。
図2
図3【IMIZUNO-HOME 生体情報計測システム】
2)画像音声伝送システム
(インターネット回線を介するハイビジョンテレビ電話:TV communication system)
病院、訪問看護ステーション、患者の寝室に設置した高性能テレビカメラとディスプレイをインターネット回線でつなぐハイビジョンテレビ電話である(図4)。
図4 【IMIZUNO-HOME 画像・音声伝送システム】
射水市民病院地域連携室や訪問看護ステーション(ひよどり)から患者宅のテレビカメラの方向やズーム機能も遠隔操作できる。患者宅から病院および看護ステーションの看護師を緊急で呼び出すこともできる。ハイビジョンテレビ電話を介して看護師が聴取した患者の体調や食事摂取量、排便、排尿状況は、三測表に記入され保存される。患者との対話中に重要と思われるところは、ボタン一つでその音声画像を保存することができる(図4)。画像は相手側の新聞の字も読めるほど高画質であるため、視診情報として充分役立つ。
3)Web記録システム(Web recording system)
病院、訪問看護ステーション、開業医がそれぞれ担当する患者に関して利用することができる。射水市民病院内のサーバで全データを管理する。Web記録にあるカレンダー機能により患者への対応状況が一目で理解できるだけでなく、これを用いて各施設は訪問診療・訪問看護・処置・治療の計画(診療計画)をたてることができる。主治医から看護ステーションへの指示出し・指示受け(指示簿)ができ、訪問・治療・処置内容、連絡事項などの記録(カルテ)を残すことができる(図5)。また掲示板機能により関係者と連絡や討論することができる。さらに、Web記録から生体計測システムが記録した三測表にアクセスできるだけでなく、病院や看護ステーションが録画した患者の音声画像データも再生することができる。
図5 【IMIZUNO-HOME Web記録システム】
4)IMIZUNO-HOMEへのアクセス
訪問看護ステーションと開業医からWeb記録(病院サーバ)へのアクセスにはVPN、パスワードを介することにより、個人情報のセキュリティを保障する。Web記録がプラットホームになって、保存されている三測表や画像データを呼び出せるので、病院医師、看護師、開業医は担当する患者に関して情報共有することができる(図6)。
図6 【IMIZUNO-HOME 情報通信システム】
3.プロジェクトの推進計画(第一段階:平成22~23年度)
IMIZUNO-HOMEを在宅患者に広く用いる前に、まず本システムへのニーズが極めて高くかつその価値を証明できる対象から適用し、段階を追って拡大をはかる。
射水市民病院には心臓血管センターが平成22年10月に開設され、入退院を繰り返す重症心不全患者を在宅で管理する機会が増えている。また最近、埋め込み型人工心臓が承認されたため、今後人工心臓を埋め込んだ患者が帰宅できるようになる。かかる患者の在宅管理にIMIZUNO-HOMEは威力を発揮すると考えられる。
本プロジェクトにおけるデータ解析・表示ソフトウエアが平成22年9月に完成したので、患者宅、訪問看護ステーション(射水市内)および診療所(射水市内開業医)への機器の設置を平成22年10月から開始した。本プロジェクトの推進計画は、すでに外部識者を含む射水市民病院倫理委員会において承認されている。
1. 射水市民病院患者支援チーム(SYMPAT)
医師だけでなく、看護師、薬剤師、栄養士、心リハ指導士、ME技士などにより、系統的に組織された専門職が患者の治療とケアに当たる多職種患者支援チーム(SYstematic Multidisciplinary Patient-Assistance Team:SYMPAT)を編成した。
現在、地域連携室の看護師が毎日在宅患者にネット巡回を行い、三測表をチェックし患者の状態をWeb記録システムに記録し医師と相談している。SYMPATが対象としている患者に対しては、栄養士、薬剤師、心臓リハビリテーション指導士がIMIZUNO-HOMEシステムを用いて相談や指導にあたっている。
信濃の国
作詞 浅井 洌(れつ/きよし)
作曲 北村 季晴(すえはる)
1.
信濃の国は十州じっしゅうに境さかい連つらぬる国にして
聳そびゆる山は いや高く 流るる川は いや遠し
松本 伊那 佐久 善光寺 四つの平たいらは肥沃ひよくの地
海こそなけれ 物さわに 万よろず足たらわぬ事ぞなき
2.
四方よもに聳そびゆる山々は 御嶽おんたけ 乗鞍のりくら 駒ヶ岳
浅間あさまは殊ことに活火山 いずれも国の鎮しずめなり
流れ淀まず ゆく水は 北に犀川さいがわ 千曲川ちくまがわ
南に木曽川 天竜川 これまた国の固かためなり
3.
木曽の谷には真木まき茂しげり 諏訪すわの湖うみには魚うお多し
民たみのかせぎも豊かにて 五穀の実らぬ里やある
しかのみならず桑とりて 蚕飼こがいの業わざの打ちひらけ
細きよすがも軽かろからぬ 国の命を繋つなぐなり
4.
尋たずねまほしき園原そのはらや 旅のやどりの寝覚ねざめの床とこ
木曽の棧かけはし かけし世も 心してゆけ久米路橋くめじばし
くる人多き筑摩つかまの湯 月の名に立つ姨捨山おばすてやま
しるき名所と風雅士みやびおが 詩歌しいかに詠よみてぞ伝えたる
5.
旭将軍義仲よしなかも 仁科にしなの五郎信盛のぶもりも
春台しゅんだい太宰だざい>先生も 象山ぞうざん佐久間先生も
皆みな此この国の人にして 文武の誉ほまれ たぐいなく
山と聳そびえて世に仰あおぎ 川と流れて名は尽つきず
6.
吾妻あずまはやとし 日本武やまとたけ 嘆なげき給たまいし碓氷山うすいやま
穿うがつ隧道トンネル二十六 夢にもこゆる汽車の道
みち一筋に学びなば 昔の人にや劣おとるべき
古来山河の秀ひいでたる国は偉人のある習い
作詞 浅井 洌(れつ/きよし)
作曲 北村 季晴(すえはる)
1.
信濃の国は十州じっしゅうに境さかい連つらぬる国にして
聳そびゆる山は いや高く 流るる川は いや遠し
松本 伊那 佐久 善光寺 四つの平たいらは肥沃ひよくの地
海こそなけれ 物さわに 万よろず足たらわぬ事ぞなき
2.
四方よもに聳そびゆる山々は 御嶽おんたけ 乗鞍のりくら 駒ヶ岳
浅間あさまは殊ことに活火山 いずれも国の鎮しずめなり
流れ淀まず ゆく水は 北に犀川さいがわ 千曲川ちくまがわ
南に木曽川 天竜川 これまた国の固かためなり
3.
木曽の谷には真木まき茂しげり 諏訪すわの湖うみには魚うお多し
民たみのかせぎも豊かにて 五穀の実らぬ里やある
しかのみならず桑とりて 蚕飼こがいの業わざの打ちひらけ
細きよすがも軽かろからぬ 国の命を繋つなぐなり
4.
尋たずねまほしき園原そのはらや 旅のやどりの寝覚ねざめの床とこ
木曽の棧かけはし かけし世も 心してゆけ久米路橋くめじばし
くる人多き筑摩つかまの湯 月の名に立つ姨捨山おばすてやま
しるき名所と風雅士みやびおが 詩歌しいかに詠よみてぞ伝えたる
5.
旭将軍義仲よしなかも 仁科にしなの五郎信盛のぶもりも
春台しゅんだい太宰だざい>先生も 象山ぞうざん佐久間先生も
皆みな此この国の人にして 文武の誉ほまれ たぐいなく
山と聳そびえて世に仰あおぎ 川と流れて名は尽つきず
6.
吾妻あずまはやとし 日本武やまとたけ 嘆なげき給たまいし碓氷山うすいやま
穿うがつ隧道トンネル二十六 夢にもこゆる汽車の道
みち一筋に学びなば 昔の人にや劣おとるべき
古来山河の秀ひいでたる国は偉人のある習い