上皇ご夫妻のインドネシア訪問では、カリバタ英雄墓地のご供花を上皇陛下がお一人でされ、美智子様は欠席だった。
女人禁制だったからである。
17年後の平成20年に秋篠宮ご夫妻が訪問した時は紀子様もカリバタ英雄墓地に同行した。
ただし、献花したのは秋篠宮殿下だけで紀子様は後方に立ち拝礼のみであった。
そして今回の両陛下の訪問では、カリバタ英雄墓地のご供花を雅子様も共にされ並んで拝礼された。
これだけを見ると雅子様は男女格差を是正する現代女性の代表のようだが。
インドネシアの男女格差は英雄墓地のお参りだけだったのか。
雅子様の体調を考慮して、天皇陛下の単独行動が多かった事について、男系男子派から「公務をまともに出来ないとは」と批判がかなりあったが。
公務を夫婦同伴で行うというのは欧米流。
女性は家にいる事を良しとするイスラム教国家のインドネシアは異なる文化である。
天皇陛下は水問題の関連施設を単独で視察された。
こうしたインフラ施設は土木業界だが、
日本でも土木業界はまだまだ男性の職場で女性の進出は遅れている。
インドネシアならば日本よりも女性の進出は更に遅れているだろう。
女性が普段入る事のない施設ならば、女性用のトイレや休憩室などは無い。
雅子様が視察される為だけに施設内に女性用のトイレ等を作るのは負担である。
その点、英雄墓地に女性が入れない状況は、家族の慰霊すら阻む変えなければいけない因習だった。
雅子様が天皇陛下と同じようにご供花拝礼されたからといって現地の人達が不快な思いや迷惑を被る事は無い。
世界的に女性の社会進出が当たり前となった今、未だに男女格差が激しいインドネシアの実情を世界に知られるのはインドネシア政府としても大きな問題である。
しかし、一般社会でまだまだ女性の社会進出が進んでいない状況では、必ずしも夫婦同伴は受け入れられない場所もある。
食事会は大統領夫妻主催の昼食会と特別州知事のスルタン夫妻主催晩餐会とインドネシア側はどちらも夫婦同伴に徹した。
また、天皇陛下の単独視察は通訳が女性。
両陛下の別行動が雅子様の体調だけの問題では無かった、インドネシアの文化や慣習に配慮したものだったとしても、インドネシア政府としてはインドネシアの女性の社会進出を国際社会に印象付けられた。
上皇ご夫妻と秋篠宮ご夫妻のインドネシアでの視察先は、女性が多い職場である医療や福祉関係の施設、公園、宮殿、研究センターなど。
夫婦同伴でも差し支えない場所であった。