女性は結婚すると袖の長い袂(たもと)を切って、袂の開いている部分を閉じるように縫って留めた。
それが「留袖」の語源である。
長い袂は未婚の証明であり、女性は袂を揺らして男性に好意を示したとされる。
現在は女性の袖の袂を縫って留める形は使われていない。
振袖はそもそも未婚の女性の正装だが、成人式に着られる事から若い女性の正装と認識している人も多い。
一般的には20代女性の着物というイメージがあるだろう。
確かに結婚適齢期が20代前半と言われていた昭和時代は振袖を着るのは20代までと言われていた。
しかし、晩婚化が進む現代で未婚女性の着物の正装が20代に限られると、正装として着物を着る機会はかなり限定される。
厳密には振袖を着られる年齢は決まっていない。
インターネットで「振袖を着られる年齢」を調べると晩婚化に合わせてか、30代前半まで着られるとする着物関係者も居る。
皇室では30代半ばを過ぎた彬子様が、振袖で園遊会に出席していた。
園遊会に招待されたベテランのスポーツ選手の振袖姿も記憶に新しい。
ただ、社会人としてキャリアを積んだ一般の30代の女性が、成人式で着た振袖、二十歳の女性が着ているような振袖を着るのは難しいところがある。
美しいキモノ
2018年平昌五輪のメダリスト小平奈緒選手。
年齢やキャリアに合わせてか、シックな地色に落ち着いた絵柄の振袖。