現代の髪型は洋装用。
正装では帽子やアクセサリーを身に付け格上げする前提。
一方、和装では日本髪を結い髪飾りを付けて格を上げていた。
つまり、編み込みをし髪をやや大きめに後ろにまとめたものの髪飾りやイヤリング無しの紀子様は首から上が世界の王室の中で唯一簡素で軽めだった。
ヨーロッパの女性王族方が帽子とイヤリングをしっかり身に付けていたのは勿論だが。
民族衣装のタイ王妃とブータン王妃も帽子こそ身に付けないが、髪のアップとイヤリングで格を上げていたのである。
明治以降、礼装は洋装と決められ、格式を重んじる皇室や華族は格式の高い儀式や行事で着物を着なかった。
おかげで女性の2大イベント、成人式に着る振袖と結婚式に着る白無垢と色打ち掛け以外は格式にこだわらず、
洋風の髪型そのままに着物という組み合わせが一般的になった。
十二単ではお垂髪(おすべらかしという髪型にする。)
大きい
長い
という格の高い条件を満たし十二単の格の高さに合わせているのだ。
正装の要件や服装の格式は古今東西同じである。
戴冠式で紀子様の首から上が簡素で軽めだった問題は、紀子様の問題ではない。
格式を守っていない和洋折衷を良しとする庶民の着物文化を、格式の高い伝統文化と勘違いする伝統勘違い派があまりにも多いからだ。
戴冠式に格が混乱している和洋折衷の着物姿で出席するのは、皇后でも皇太子妃でもない、内廷皇族でもない紀子様にしか出来ない事。
着物を世界に宣伝して伝統勘違い派からは支持されるも、国際的な立場は当然上がらない。