表彰式衣装に対する批判は的外れだ。
理由は2つ。
主催者では無い、主賓でも無い補助的な役の者が、主役の選手達のジャージよりはるかに格の高い衣装であれば、儀礼に反する。
誰でも応募できるボランティアならば、どんな人でも着心地の良い服装でなければいけない。
表彰式衣装を着るのは、表彰式でメダルやギフトを運ぶトレイベアラーやエスコートを務めるボランティア。
聖火ランナーに身障者も選ばれるなら、当然オリンピックやパラリンピックを支えるボランティアにも身障者は選ばれて良いだろう。
選手として参加出来なくても、ボランティアで参加出来る。
そういう機会はなかなか無い。
特に身障者の活躍の場はまだまだ少ない筈だ。
東京2020は、国籍も老いも若きも性別も関係ない、障がいも個性として、誰もが参加できるスポーツの祭典を目指したのではないか。
だとしたら、自分一人で着られる人が殆どいない、重い、暑い、帯で椅子に座りにくい座れない、草履の脱げやすいなどの和装の弱点を認め、和装の良さと和装の格式の高さを盛り込んだ和洋折衷にならざるを得ない。
正装には、第一礼装・準礼装・略礼装と3段階ある。
一般的に結婚式で招待客が着ているブラックスーツやダークスーツは略礼装。
儀式や行事で最も格の高い服装をすべきなのは、主催者と主賓だ。
だから、披露宴の主催者にあたる両親や仲人も第一礼装、男性はモーニング、女性は五つ紋が付く黒留袖を着る事が多い。
メダルを渡す役では無い、案内役やメダルを運ぶ役の衣装が第一礼装の振袖、メダルを渡す主催者や主賓がスーツでは、服装のルールと逆になる。
皇室の儀式や行事は、常に両陛下が主催者、皇太子夫妻が主賓となる。
儀式や行事の主催者なのか、主賓なのか、単なる招待客なのかが服装の格式に関わるのであって、単に位が高いか低いかで服装が決まるのではない。