《 ひとりの少女が見た、ツネさんの人生 》
少女には姉弟のように育った幼馴染がいた
幼馴染ノリくんの家には、両親と、明治生まれで性格のキツイおばあさんがいた
ノリくんの父は、母親であるおばあさんに似ず、
とても温和で、こころ優しい人だった
家族のほかに、ツネさんも一緒に暮らしていた
少女はツネさんを、おばあさんの妹だと思っていた
しかし、ツネさんはいつもおばあさんに怒鳴りつけられ、
お手伝いさんのように、昼も夜もコキ使われていた
ののしられ、罵声を浴びせられても
黙って耐えているツネさん
時には、その罵声に耐え切れず、
泣きながら言い返すツネさんを、優しくなぐさめるノリくんの両親
少女はそんなシーンを目撃するたびに、
一生懸命働くツネさんを、気の毒に思い
少女を自分の孫のように可愛がってくれる裏側で
あんなにも感情あらわに、荒れ狂うおばあさんを、冷静に見つめていた
ある日、ノリくんの家の二階で、三階に上る階段をみつけた
暗くて細い梯子のような、不気味な階段
興味津々、上ってみると、、、そこは薄暗い屋根裏だった
ダンボールや不用品が置かれ、
納戸のように使われているように見えた
その片隅に、たたんだ布団が置かれ、小さな整理ダンスがひとつ。。。
その屋根裏は、ツネさんの部屋だった。。。
裸電球の下で、繕い物をしていたツネさんは
少女がいることに気付くと話し始めた
ここはね、夏は蒸し風呂のように暑くて、冬は牢屋のように寒いとこだよ
ツネさんは続けた・・・
ねずみもいっぱい出るんだよ
ツネさんの家族はいないの?
ふふ、、、ずっと昔に、死んだよ
ツネさんは薄笑いを浮かべる。。。
子供はいないの?
男の子がいたけどね、赤ちゃんのとき、悪い人に殺されたんだ
警察に言ったの?
言っちゃダメなんだよ、、、ふふふ
どうして?
犯人つかまえてもらわないと!
犯人はね、知ってるけど、言えない
ショッキングな告白に、少女は凍りついた
ツネさんの言葉の裏側に、
おぞましい大人の世界があることなど
8歳の少女には想像がつくはずもない
少女はツネさんの言葉を、真正面から受け止めた
ただ、人に話してはいけないことだと、察しはついた
少女はその秘密をこっそり家に持ち帰り、誰にも言わないように胸にしまった
その夜、どうにも抱えきれなくなった少女は
ツネさんを助けたい一心で、母に相談した
つづく
これは実話なのですよね
やはり現実の方がどんな小説よりもショッキングです
続きが気になる~
どーゆーワケか、この手のお話し
少女の周りには一杯あったのよ
どんな環境で育ったの?って思われそうなくらいだわ
でも、少女はまともに大きくなりました(爆)