emitanの心にうつりゆくもの

日常のこと、テレビドラマのことなどを中心に・・・

心の傷を癒すということ 最終話

2020-02-13 15:55:33 | 2020冬ドラマ
最終話(第4話) 「残された光」

今回もリアルタイムで観ていたのですが、放送開始20分位から涙が止まらず、30分以上涙を流しながら観ていました…。
ドラマを観ながらこんなにずっと泣き続けたのは初めてです。
安先生、まだまだやりたいことがたくさんあって悔しかっただろうな、でも受け入れて、現状でできることをやり続けて、最後まで優しい安先生だったな…と、観ていて悲しかったけど温かい気持ちも感じながら観ることができました。
感動しました。
まだ2020年は1か月半しか経っていないけど、2020年最高のドラマのような。
そう思えるくらい、素晴らしい作品でした。


最終話は、震災から5年、2000年4月から描かれていました。
精神科医・安和隆(柄本佑)は、乖離性同一性障害の本を執筆中で、
「一般の人に分かりやすい言葉で書くんや。そしたら患者さんたちが、ちょっと生きやすくなるちゃうんかと思って」
と話し、ノートに「やりたいこと」を次々と書いていき、北林史也(浅香航大)に「学校で心のケアを体験させたい」と話し…。
それが、ラストの北林先生の姿に繋がっていくのでしょうか?

妻・終子(尾野真千子)は第3子を妊娠し、つわりのある時期で、
そんな中、安先生は右の背中の痛みがあって検査を受けたところ、がんが発見…。
安先生が自室で父親の遺品を見ながら、「お父さん、怖いねん。僕、まだ何もやってへん…」と泣きながら呟くものの、気を取り直してノートに「やりたいこと」を書き始め・・・

6月に入院して抗がん剤治療を開始し、そこで終子にがんであることを告白。
涙を流す終子を抱き寄せて「うち帰ったら泣かれへんもんな。ここで泣いて帰り」というシーンが、とても優しくて、でも二人の辛さがものすごく伝わりました。
終子やアメリカから駆けつけた兄・智明(森山直太朗)には気丈に振る舞っていたものの、精神医学の権威で恩師・永野良夫(近藤正臣)が見舞いに来ると泣き出して、
「『辛い時は言葉にした方がええ。悲しみや苦しみを表現するのは、はしたないことやない』君、本にそう書いてた」
と永野先生が声を掛けると、安先生は
「僕、もう退院しようと思うんです。病院にいたら痛みは取ってもらえますけど、自然治癒率は500分の1やそうです。それでも希望はあると思てます。僕、どうしても諦められへんのです、生きること。これ、今やれることを全部やりたいんです」
と話して、ノートの「やりたいこと」を見せて・・・

退院して家族と一緒の時間を増やし、患者さんの診察を再開するものの、母・美里(キムラ緑子)と兄は化学療法を受けるよう説得を試みて・・・。
「嫌や。その治療法うまくいかへんかったら、赤ちゃんに会われへんまま死ぬことになる」「お母さん、合う治療方法は人それぞれでな、僕に合う治療法を探してるとこなんや。今僕にできることは、家族のそばにおることだけ。お願いやからそうさせて」
私も家族なら、入院して治療に専念してほしいと言ってしまうかも。。。
でも、本人のやりたいことがあって、そして色んな治療法を検討した上で自分の病気を受け入れて、残された時間を懸命に全うしようとする姿は本当に素晴らしいですし、その道を選んだ安先生は凄いなぁと感嘆します。
ご家族も、そんな安先生の強い思いを受け入れることにしたようですね。
子供たちも察しているのか、マクロビ料理でも文句を言うことなく食べる姿にもジーンとしました。


10月になり、親友・湯浅浩二(濱田岳)がジャズコンサートのいい席のチケットを手に入れて、安先生を連れて行くものの、安先生の体力はかなり落ちていて、具合が悪くなり、会場近くまで来るものの座り込んでしまい・・・
安先生が「お前だけでも中で聴き」と声を掛けると、湯浅は会場から漏れてくる音楽を聴きながら
「お前の隣で好きな歌聴いてんねん。これ以上ええ席はない」
この湯浅の言葉から私の涙腺は崩壊して、ドラマが終わるまで止まりませんでした

安先生は、腹水が溜まるようになり、病院内は車いすで移動するようになり、診察は休みをもらうことに。
安先生が北林史也(浅香航大)
「北林先生はよう自分のこと『どんくさい』って言うけど、そのままでええよ。焦ることない。北林先生は、ゆっくり進むことで、みんなが見落としたもん見つけられる人やと思うわ」
と声を掛けた言葉も、本当に素晴らしくて
患者・片岡心愛(清水くるみ)に聴かせたピアノも素敵でした。

家族と母とで散歩に行き、終子が笑顔で紅葉を手にしているのを見て、母に
「心のケアって何か分かった。誰も独りぼっちにさせへんってことや」
と話すと、母は
「なんや、あんたがずっとやってきたことやな」と話し・・・

「誰も独りぼっちにさせへん」・・・心に刻んで忘れないようにしたいと思います!


11月30日
安先生は早朝に激痛が走るものの、終子は陣痛が始まってしまい、弟・壮介(上川周作)が終子を病院に連れて行くことに。
車に乗り込む終子の顔をなでて「またな」と声を掛けていましたが・・・
安先生はタクシーで病院に行くものの意識が混濁し、
夜に終子は一人で次女を出産。

12月1日
北林先生は、安先生の机からビデオを取り出して産婦人科病院に行き、生まれた次女の姿を撮影し、戻って安先生に見せると、安先生は「かわいいなぁ…」と言って画面を撫でて・・・
見ることができて、本当に良かったです。。。

翌日、終子は次女・灯を連れて安先生の入院する病院へ向かいながらカバンを見ると、安先生からの手紙が。
「『ともしび』と書いて『あかり』
 きっとこの子は、僕と終子の世界を明るくしてくれる。
 僕のこの7か月を明るくしてくれたみたいに、どんな怖い映画も悲しい映画も、最後には絶対『終』っていう文字が出て、自分の世界に帰ってこられる。
 そう分かってるから、耐えられるやろ?
 僕もそうやった。
 仕事大変でも、きっつい話いっぱい聞いても、家に帰ったら終子がいて笑って迎えてくれると分かってるから、耐えられたんや。
 ありがとう」
終子と灯ちゃんは間に合ったのかなぁ・・・
安先生は12月2日、39歳でお亡くなりになりました。。。

ジャズ喫茶「スクルド」でママ(濱田マリ)が安先生のピアノ演奏のテープを流し、かつてのジャズ仲間たちがそれに合わせて一緒に弾いている姿も、とても素晴らしいシーンでした。
そして、それを聴きながら永野先生が
「安君、生きたかったやろ?悔しいやろ。まだ君にさよならは言われへん。残された僕らは、時間をかけて君の不在を受け入れていく。そして…」
と心の中で話すシーンも・・・


そして時は現在になり、
安先生の本を読んで精神科医を目指す学生がいたり、北林先生は市民に心のケアの大切さを伝えたり、
安先生の心は後世に繋がっていて、
終子と長女・春子と長男・洋一と次女・灯は、神戸ルミナリエを訪れて・・・
「こんなに大きなったよ、和隆さん。大変なこと、いっぱいあった。私は和隆さんとちゃうから、自分がしんどいの隠して相手気遣ったりできひん。そんな優しくなられへんよ。そやから言うけど、さみしいわ」
と話す横には安先生が。
優しく微笑み、歩き出す終子と3人の子供を優しいまなざしで見守り・・・

3人のお子さんは、モデルとなった安克昌さんの本当のお子さんが出演されていたようですね。
クレジットに「安」という苗字の方が3人並んでいたので、そこで気づきました。
奥様は3人の幼い子供たちを抱えて大変だったと思いますが、こうしてみなさん元気に成長されている姿を観ることができて、とてもホッとしました。
最後の最後まで涙が止まりませんでした。

生きること、寄り添うこと、独りぼっちにしないこと・・・
とても大きなテーマを扱うドラマでしたが、とても濃厚に描かれていて、でも温もりが随所で感じられて、
メッセージ性の強い、本当に素晴らしいドラマでした。
今、ウイルスの問題があったりして、殺伐とした意見も飛び交う今日この頃ですが、安先生の残したメッセージをたくさんの人に知ってほしいなと強く思ったりもする今日この頃です。

演じていた柄本佑さんが本当に素晴らしかったですし、他の方々もみなドラマの中で「生きて」いて、ドラマとは思えないくらいでした。
素晴らしい作品をありがとうございました!!
←web拍手です。
※これまでの感想
 第1話+第2話 第3話
※公式HP(こちら

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2 コメント

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>きこりさんへ (emi)
2020-02-17 15:53:16
きこりさん、コメントありがとうございます!
最終話、涙が止まらなかったですよね・・・

>そんな中、終子も湯浅も、彼の生き方を受け止め隣で支え続けた。すごいことですよね。
そう思います。
安先生の「いつも通りに過ごしたい」という意向をくんで、いつも通りに接する・・・とても大変なことだったと思います。
お母さんも、始めこそ入院するよう懇願していましたが、受け入れて、身重の終子に心配を掛けないように安先生のことを壮介と陰で支えていたようですし。

>「心のケアって何か分かった。誰も独りぼっちにさせへんってことや」
>この言葉は心に刺さりました。
>精神科医だから出た言葉ではなく、生きている一人の人間として実感したこと。
とても実感がこもっていて、説得力がありましたね。
これからの時代、ますますこの言葉が重要になってくると思います。
いつまでも忘れずに、気に掛けていきたいと思います。
返信する
こんにちは~ (きこり)
2020-02-16 13:06:44
私もずっと泣きながら見ていて(笑
記事を書きながらまた泣いて・・
emiさんの記事読みながら、また泣きそうに(笑
安先生の穏やかで優しい佇まいが思い出されます。
積極的に化学療法を受けないというのは
家族の方が辛いかもしれませんね。
安先生は決して生きることをあきらめた訳ではなく自分にあった治療法を模索することで戦っていた訳ですが・・
多分、はっきりと目に見える効果はなかなか現れなかっただろうし・・
そんな中、終子も湯浅も、彼の生き方を受け止め隣で支え続けた。すごいことですよね。
>3人のお子さんは、モデルとなった安克昌さんの本当のお子さんが出演されていたようですね。
やっぱりそうだったんですね。
はにかむように向けた笑顔が、役者さんではない感じでしたもんね。
>「心のケアって何か分かった。誰も独りぼっちにさせへんってことや」
この言葉は心に刺さりました。
精神科医だから出た言葉ではなく、生きている一人の人間として実感したこと。
私も忘れないようにしたいと思います。
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