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モンテ・クリスト伯-華麗なる復讐- 観終わりました

2018-06-21 16:02:35 | 2018春ドラマ
第1話の男の嫌らしい嫉妬がプンプンする暗い展開に脱落しそうになり、
第2話の拷問シーンを観た時には本当に視聴を止めようと思ったりもしたのですが、
どういう訳か(笑)観続けた結果、頑張って観続けて良かった…と思いました。
最終話は2時間スペシャルでしたが、リアルタイムで見守りました
忙しかったので、感想を書くのが遅れましたが


謳い文句(「それは、震えるほど美しい復讐劇」)の中にある「美しい」は感じなかったのですが、悲しい復讐劇に心を打たれ、
人間の醜いところが実によく出ていて、色々と考えさせられました。
高校生の時に原作を読んでいて、内容はほとんど忘れていたのですが、こういう暗い話だったな~というのを少し思い出し、映像化に成功した脚本家&演出家は凄いな、と思いました。
原作を書いたアレクサンドル・デュマの「ダルタニャン物語」(「三銃士」の方が日本では有名?)を先に読んで、とてもワクワクして感動したので、その感動を引きずりながら「モンテ・クリスト伯」を読んだら、ものすごく暗い話で騙された~なんて思ったことは、よく覚えています

このドラマ版は、
登場人物みんなの感情の動きが、セリフのない中でもよく出ていたと思います。
久しぶりに上質なサスペンスドラマを観たというか…
キャストも演出も魂がこもっているのがヒシヒシと伝わってきたので、とても見応えがありました。
大人のドラマでしたね…今の年齢になって分かることが多々あったような気がしました。
嘘、嫉妬、保身、愛、欲、母性…一つの掛け違いからどんどん崩れて転落していく様がじっくりと描かれていたので、それぞれがとても怖かったです。

真海(ディーン・フジオカ)は、復讐のために情報を集めまくり、その情報を巧みに利用したものの、自らの手で彼らを殺害することはしなかったですよね。
15年前の事件関係者が、それぞれの飽くなき欲望と保身等のために動いて、殺しあったり痛めつけあって・・・それが更に恐ろしさを倍増させていたように感じました。

人間性が ずっと変わらなかったのは神楽(新井浩文)だけ?
でも、最後に「真海は炎に巻き込まれて死んだ」という嘘の証言をして、真海に逃げ道を用意してあげていたから、そこには過去のことを悪かったと思う所があったのかな、と。
カグ兄は、他人を犠牲にしてでも生きようとする生への執着心が ものすごく出ていたので、とても見苦しかったけど、自分がこの状況になったらこうなってしまうのかどうなのか?と思ったら怖くなったりしました。


南条幸男(大倉忠義)が一番悪いのかもしれないけど、
私には入間公平(高橋克典)が最強の悪人に見えて、とてもムカついていました。
警察官僚として事実を平気で捻じ曲げ続けるし、愛人との子供を殺すし(未遂でしたが2度も!)、
妻・瑛理奈(山口紗弥加)の殺人にはなかなか気づかず、知っても保身に走るし・・・
こういう権力を持った者が保身のために隠ぺいに走るのは、本当に許せない!
演じている高橋克典さんも本当に憎々しく演じていらっしゃったので、入間に真海がどう復讐するのか、思わず期待して観てしまいました

瑛理奈を演じていた山口紗弥加さんの猟奇的な演技には、本当にゾクゾクさせられました。
そして、それに応えて貞吉(伊武雅刀)が、目の動きだけで恐怖を何種類も演じ分けていて、これまた凄かった
この二人のおかげで、復讐劇が更に濃厚になっていたような気がします。

未蘭(岸井ゆきの)のことを真海は殺さないと信じていましたが、未蘭が泡と血を吹きだして倒れたシーンを観た時には、驚いて目を見開いてしまいました
未蘭と守尾信一朗(高杉真宙)のシーンは、唯一の癒しの場面で、観ていてとても微笑ましかったです。
二人に、真海の真意が伝わって、本当に良かったです。


留美(稲森いずみ)も素晴らしかったです!
私も真海と同じで、留美の母性には驚かされました。
専業主婦として、女として、母としてと変化していく留美は、痛々しい部分もあるのだけど分かる部分もなくはないというか、
必死で息子を守ろうとする姿には大きく感じるものがありました。
だからと言って殺人を隠ぺいしたり、逃亡したりするのはいけないですけどね


一番気になったキャラクターは、実は土屋慈(三浦誠己)だったりするのですが(笑)
三浦誠己さんは、一昨年の連ドラ「侠飯〜おとこめし〜」のヤクザ役が好きで、
今回その時とは全然違う役でしたが、真海の執事ながらも人情味を時々少し見せるところが何とも言えず好きでした。
留美と安堂完治(葉山奨之)の関係性を当初は知らないなどの描写はあったので、「土屋はどこまで知ってるのかな・・・?」と思っていたのですが、最終回を観る限りでは、真海の過去のことや意図するところは大体は知っていたようですね。
その上で、真海の命令を冷静にこなし、時に表情を変えることはあっても、真海の孤独な心に寄り添おうとしていたことが観ていて伝わり、最後に愛梨(桜井ユキ)と共に真海の元に駆け付けようとするシーンは、本当に本当に良かったです!
「バイクは、愛梨が運転手で、土屋は後ろ座席かい!」という感じでしたが(笑)
完治を2度も助け、病院で完治が目が覚めるのを待っているというのも、すごくいいシーンでした


私は、ラストには とても満足しています
すみれ(山本美月)が、真海と結婚すると言いながらそこにかつての愛はないと分かった時の真海の表情を観た時には、とても悲しい気持ちになりましたが、
すみれは真海のことはまだ好きだろうけど娘・明日花という守るべきものがいて、
真海もそのことを分かった上で「明日花も捨てて結婚してくれ」と言ったのだろうし・・・。

そんな真海のことが ずっと好きで、真海がどんなにエグイ復讐をしてもついていった愛梨が、
生まれ変わった真海/暖の一番の理解者だから、寄り添っていけるのではないかな・・・
真海は、どんな自分も愛してくれる女性がそばにいることで、きっと生まれ変われるはず!
愛梨も新たな人生を、今度は幸せに歩んでいってほしい!
そういうことが思えるラストで、とても良かったな、と思いました。


最後に。
真海を演じたディーン・フジオカさん、ハマリ役だったと思います!!
朝ドラ「あさが来た」の五代様の次にハマっていたように思いました。
品が感じられて・・・紳士の役が似合っているのでしょうか?
まぁ、今回の役は紳士に見せかけて相当エグイことをしていましたが
五代様の時のように私が真海に恋に落ちることはありませんでしたが(笑)、真海の悲しみや憎しみが とても伝わってきて、真海に何とか元の屈託のない笑みを取り戻してほしい!と ずっと願いながら観ていました。

15年前と現在の姿を、もう少し違うものにしてもらいたかった、というのはありましたけどね。
15年後に「みんな何で暖だって気づかないの!?」って、私も突っ込まざるを得なかったです。
後半になって、ストーリーがどんどん濃密になったら、気にならなくなりましたが。


そんなこんなで、長い感想になりましたが、色々と感じながら観ていました。
濃厚なドラマをありがとうございました!!


春ドラマは、火10「花のち晴れ」も楽しく観ていて、まだその最終回が終わっていないので、その最終回が終わったらまた感想をブログに書きたいと思っています
←web拍手です。
※公式HP(こちら
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