emitanの心にうつりゆくもの

日常のこと、テレビドラマのことなどを中心に・・・

サイレント・プア 第8話

2014-05-28 16:55:13 | 2014春ドラマ
第8話 「そばにいるだけで・すれ違う震災避難夫婦の心」

紅墨区社会福祉協議会では、隣の区で東日本大震災から避難してきた人が自宅で倒れていたという事案が発生したため、自主的避難で転入してきた人たちにも目を配っていこうという話になる。
人手が足りないことからコミュニティ・ソーシャルワーカー(CSW)・里見涼(深田恭子)にも担当になるよう話が来て、上司・近藤健亮(モロ師岡)は涼に「本当に寄り添えるのは、お前さんだろうと思ってね」と声を掛ける。
以前ホームレスだった男性・木下和男(大地康雄)は、カフェサロンに来た涼に「アンタに会わなきゃ、とうの昔に俺は一人で死んでいた。死ぬのはね、消える事じゃないよ。俺はね、今そんな気がしている」と笑顔で話す。
涼は、区役所へ行った際に地域福祉課長・山倉祐一(北村有起哉)に被災者支援の担当に回ったことを伝え、「私に何が出来るのか…本当に出来るのか…。私は震災でたくさんの別れを経験しました。まず最初はその震災で。二つ目は避難所で助け合った人たちとの別れ。そして最後は、故郷を離れました」と話すと、山倉は「震災の経験を持つ君だからこそ出来る仕事があるんじゃないのかな?君自身が感じたことを信じることだよ。君ならできる」と言って励ます。
涼は、同僚と震災避難者支援のバザーを企画し、来場した被災者には無料相談とお米をプレゼントすることにする。
そこに、自主避難中の渡辺昭子(笛木優子)が子供2人を連れてやってくるが、特に相談をすることはないと言って、お米の届け先の住所と名前を書いて帰っていく。
後日、涼がお米を届けに行くと、昭子は下の子どもがお腹の中にいた時に被災して紅墨区に来たこと、夫は仕事がなくて自分のパート代のみで生計を立てていることを話す。
昭子の夫・寛次(蟹江一平)は、福島では老人ホームの介護福祉士をしていたが、今は人が変わってしまって、公園でビールを飲む毎日になってしまったと昭子は嘆く。
そんな寛次に、涼の同僚でシングルファザーの久慈五朗(田口浩正)が、よく公園で遭遇して声を掛けていたことが分かる。
社協では、寛次に前職の経験を生かして避難者支援相談窓口の相談員になってもらえたらという話になり、涼らは寛次に週に2日2時間ずつ協力してもらえないかと話すが、寛次は「俺はもう、人の役に立つような人間じゃないんです」と言って断る。
涼が渡辺家を訪れると、寛次と昭子はケンカをしており、涼は外へ出て行った寛次の元へ行って「気持ちを伝えるのは本当に難しい事ですよね。もしかしたら渡辺さんは、奥さんにも言えない何かを一人で抱え込んでいるんじゃないですか?」と声を掛けて帰っていく。
別な日に涼が公園に行くと、寛次が女性のお年寄りと笑顔で会話している姿を目撃する。
女性が帰った後、涼は寛次に「渡辺さんは、他の人に出来ないことができる。私、渡辺さんと一緒に社協のお仕事したいです」と声を掛けるが、寛次は無理だと断る。
そんな中、木下が倒れたという連絡が入り、涼は慌てて駆け付けるが、医師からいつでもという心の準備をしておくようにと言われる。
涼は、目が覚めた木下から「アンタにお願いがある。最後までずっとここに居させてもらえないか?みんなの賑やかな声を聞いていたい」と言われ、「分かりました。大丈夫です、ここに居て」と答えて手を握ると、木下は「アンタのおかげで俺は自分の人生を最後に好きになれた。アンタはずっとそのままがいい。アンタがこうして手を握ってくれれば、それだけでいいんだ。あとはみんな自力で這い上がれる」と話して微笑む。
久慈は、公園で会った寛次に、涼が阪神淡路大震災で被災した経験があることを伝え、「彼女はあなたに何も押し付けようとしている訳じゃないんです。あなたの持っている力に気づいたんじゃないかな?」と話す。
別の日に、涼は寛次に「私、皆さんの役に立ちたいって思いながら、私が皆さんの話を聞いて励まされてる、そう思う時があるんです。渡辺さんはありませんか?今日はそれだけ言いに来ました」と言って帰っていく。
寛次は、社協で相談員として働くことを決意し、他の避難者たちと相談窓口で話をするようになり、寛次は涼に「人の話を聞くと、自分が見えてくる。久しぶりにそれを思い出しました」と話す。
相談者の中に、夫だけが福島に戻って働いているという女性がいて、その女性は夫が「もう故郷に俺の居場所はなくなった」と泣きながら愚痴をこぼしているということを話すと、寛次は「でも、泣けたのは良い事かもしんねぇ。泣ける場所っつうのが、その人の居場所だと思うから」と声を掛ける。
寛次は昭子に仕事の事を話しておらず、涼は昭子を社協に連れて行って、昭子に寛次の仕事ぶりを見せる。
昭子は、相談者席に座って自分の避難生活を話し始め、夫が下の子の誕生を喜んでおらず「きっと彼は故郷を出たくなかったんだと思うんです」と話すと、寛次は「違うんだ。俺は東京へ来たことに後悔なんかしてねぇ。俺は東京に逃げてきたんだ。自分自身から逃げてきた。俺、つわりがひどいお前が心配で、仕事休んでお前の事病院へ連れてったべ?(その日に地震があり)あの時、施設には水が来た…。俺は助けることもできなかった。俺がいたら、ばあちゃんを運べたかもしんねぇ。そういう思いが消えねぇんだ。東京来ても消えることがねぇんだ。俺は施設のみんなより家族を選んだんだ!」と言って涙を流す。
昭子は「そんなら私も同罪だべ!」と話すと、寛次は「そうじゃねぇべ!お前まで俺と同じもん背負っちゃいけねぇんだ!」と言ってうなだれるため、昭子は「ばあちゃんたち、寛次の事が大好きだったよ!みんなの事を忘れないで、思い出を大切に生きていくべよ!それが大事だべ!アンタ、逃げてなんかねぇよ!」と言って寛次を抱きしめ、二人は涙を流す。
涼はそのやり取りを聞いて19年前の事を思い出し、帰宅して母・幸子(市毛良枝)に「私ね、話したいことがあるの」と言って・・・


というような内容でした。

うーーーん、描きたいことは分かるのだけど、50分弱で描くのは短すぎたような・・・。
被災者の中でも自主避難をしている方にフォーカスを当てていて、その方たちなりのご苦労があるというのが少し分かり、その面では今回も勉強になりました。
そして今回の主役・寛次の、いつまで経っても後悔の念が消えないという気持ちも伝わりましたが、もう少しじっくりとこういった方々の話を見せてほしかったな、というのが正直な感想でした
でも、テレビドラマではなかなかこういう話題自体を取り上げないので、こうして取り上げたという意味では、問題提起としては良かったのではないか、と思います。

「経験したもの同士だけが分かり合えることがある」という要素が、今回は色濃く出ていましたね。
・涼のセリフで「皆さんの役に立ちたいって思いながら、私が皆さんの話を聞いて励まされてる、そう思う時があるんです」
・寛次のセリフで「人の話を聞くと、自分が見えてくる」
というのがあったけど、そういうことはあるのでしょうね。
私は被災したことがないので震災関係については分かりませんが、同じような境遇の人と出会うと話が弾むことがあります(転勤族の人同士とか…)。
そういう同じ状況の人たちを引き合わせて、話をしあうキッカケを作っているこの社協の取り組みは、とても重要なのかもしれませんね。

あとは、木下の「アンタがこうして手を握ってくれれば、それだけでいいんだ。あとはみんな自力で這い上がれる」というセリフがあったけど、無理やりあれこれお膳立てをしなくても「ただ話を聞いてもらうだけでも楽になる」ということがあるのかもしれませんね。
でも、自力ではなかなか這い上がれない人もいると思うので、どこまで手を差し伸べるかは個々によって違っているから、実際にはなかなか大変なのかも。。。


来週は、とうとう最終回ですね。
予告編のBGMがかなり物々しくて、いつもの回とは違うテイストでしたが
どういう形で締めくくるのか、来週もしっかり見守りたいと思います

※これまでの感想
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※公式HP(こちら
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