第48話 「幻の都、福原」
伊藤忠清(藤本隆宏)は「殿のなさってきたこと根底より覆す無礼を申し上げた罪、生きて償えるものでは」として平盛国(上川隆也)に介錯を願い出でるが、盛国は「平家の武の軸は忠清殿、そなたじゃ。これよりいよいよ平家にあらがうものを討ち、平らげねばならぬ。その時、そなたが居らんで何とする。生きて平家を、殿をお守り致そうぞ」と声を掛ける。
福原へ遷都後、高倉上皇(千葉雄大)が病に倒れ、清盛(松山ケンイチ)は見舞いに訪れるが、上皇に嫁いでいた徳子(二階堂ふみ)は「私は何より、上皇様の御身体が大事にございます。上皇様の病、こたびのにわかな遷都が元であるならば、私は・・・」と遷都したことに対して苦言を呈する。
公卿たちも、源氏に加えて諸国の寺社にも謀反の兆しがあることを憂い、平安京に還都するべきではないかという声が多く上がる。
平家の棟梁・宗盛(石黒英雄)は一門を呼び、清盛に対して寺社までもが旧都を狙っているとして還都を願い出る。
清盛は「皆の生きた証が、この福原の都なのじゃ。捨てる訳にはいかぬ」と激怒するが、宗盛は「私は重盛の兄上とは比べ物にならぬ出来の悪い男。つたない棟梁でござりましょう。それでも私は、平家の棟梁でございます。平清盛の子でございます。私が一門の役に立てることがあるとすれば、今この時、父上をお諫めすることにございます。還りましょう、父上。平安京に、六波羅に。平家がすっかり孤立してしまわぬうちに」と泣きながら訴える。
清盛は一門の顔を眺めるが、みな何も言わず清盛をじっと見つめ、それを見た清盛は黙って去っていく。
安徳天皇の新内裏が出来上がり、五節の舞が献上されるが、その後まもなく平安京へ還都することを清盛は決断する。
清盛は、本拠として10年住んだ福原を離れることになり、夢見た福原京はわずか半年で終わった。
京の六波羅で、清盛は一門に対して謀反人を討伐することを命じていくが、妻・時子(深田恭子)と二人っきりになると「何をしてきたのかと思うてな、この何十年。武士の世は何であったかと思うてな」とつぶやき、物思いにふける。
一方で鎌倉では、源頼朝(岡田将生)が配下の武士に戦の恩賞として土地を与える仕組みづくりを始めていた。
ある日、頼朝の元を源義経(神木隆之介)と弁慶(青木崇高)が訪ね、頼朝に対してなぜ挙兵を決心したのかと尋ねる。
すると頼朝は「一言では難しいが、つまるところは、亡き父上の武を証し立てるため」と答え、父・義朝と清盛とのこれまでのいきさつを話し、「今は武士の世とは名ばかりの平家の世じゃ。私は力で平家を倒す。その上に就く。今度こそ、真の武士の世を」と力強く語る。
それを聞いた弁慶はとても感銘し、清盛に関する昔話として、かつて清盛が神輿にわざと矢を引いた時のことを話す。
驚く頼朝だったが、その当時鳥羽上皇(三上博史)が「平清盛、そちこそが神輿を射抜いた矢そのもの。白河院や朕が乱しに乱した世に報いられた一本の矢じゃ」と言ったことを聞き、頼朝は「朝廷に入り込み、その仕組みそのものを壊し、変え、そしられながらも新しき都を作る。それらは全て・・・」とつぶやき、自分の今後の生き方についてを思い定める。
清盛の五男・重衡(辻本祐樹)は、南都(現在の奈良)の僧兵の鎮圧に向かうが、風の強い夜だったこともあり、東大寺の大仏など寺々を焼き尽くしてしまうこととなった。
公卿方に激震が走り、藤原兼実(相島一之)は「世に平家がある限り、天下の乱れは収まれますまい」と嘆く。
知らせを聞いた清盛も「それ(強風が吹いた)こそが、もはや運が尽きたという事よ。天は平家を見放したのじゃ」とつぶやく。
そんな中、戻ってきた重衡は「南都を攻め、悪僧の首四十九を討ち取り、また一人を生け捕りにしましてござります。思いがけず火が風に煽られ、伽藍を焼き尽くしてしまいましたが、なに、天もお許しくださりましょう。我らが焼いたは仏にあらず、仏を盾に狼藉を働く不埒者どもにござります。これを抑えられるは、我ら平家のみ。どこにも劣らぬ強き武門の我らをおいて他にはおらぬと世に示しましてござりまする」と嬉しそうに報告する。
それを聞いた清盛は、あっけに取られながらも「重衡、ようやった」と声を掛け・・・
というような内容でした。
いやぁ・・・五節の舞の時の音楽&清盛のこれまでの回想シーンに涙でした
新しい世を作る、面白き世を作る、武士の世を作るために、従来の既定路線を次々と破っていく元気な清盛
そして、その偉業を成し遂げようとする頃からの様々な苦しみの数々
この時に流れていた音楽は、いつもとても悲しい場面の時に流れるのですが、今回もその音楽と映像に持っていかれました
そのことと併せて、清盛演じる松山君が、この一年本当に素晴らしい芝居をしたんだなぁ~と、心底思いました。
声といい、面構えといい、目といい・・・(皮膚はメイクとしても)青年期と今とでは、全く違ってしっかりと老いていて、そのことに対しての感動も相まって、本当に素晴らしいシーンだったなぁ、と。
最終シーンにしても良いんじゃない!?という位、胸にグッときました。
清盛が神輿に矢を射たのは、第13話(こちら)でしたね。
この時の私の感想を読むと、神輿に矢を射たことについても、鳥羽上皇の言葉についてもよく分からなかったようなことが書いてあるのですが、今回になってやっとその時に言いたかったことが分かったというか・・・
そして、その時に書いた清盛の行動の「私なりの解釈」として
・神輿を盾に盾突く僧侶たちの行為を許せないと思っていた
・神輿自体に、清盛は神聖なものを感じず、だから恐れずに矢を射った
とあるのですが、何だか今回の南都を焼き討ちした重衡の言い分と似ていますね
「神輿一つ」と「大仏を含む南都の寺々の焼き討ち」とは損害の大きさが違うのですが、同じ「神仏」を恐れない心は血筋なのか・・・
でも、最悪なタイミングでした・・・
(奈良時代からの建造物が失われたのは、本当に痛いですし・・・)
やはり主人公がどんどん没落している様を観るのは辛いです。
今、プレマップで「最終回に向けた2分間予告」を放送しているのですが、その2分間を映像を観ても悲しい気持ちになります。
あと残り2話も、そんな感じなのかな・・・
伊藤忠清(藤本隆宏)は「殿のなさってきたこと根底より覆す無礼を申し上げた罪、生きて償えるものでは」として平盛国(上川隆也)に介錯を願い出でるが、盛国は「平家の武の軸は忠清殿、そなたじゃ。これよりいよいよ平家にあらがうものを討ち、平らげねばならぬ。その時、そなたが居らんで何とする。生きて平家を、殿をお守り致そうぞ」と声を掛ける。
福原へ遷都後、高倉上皇(千葉雄大)が病に倒れ、清盛(松山ケンイチ)は見舞いに訪れるが、上皇に嫁いでいた徳子(二階堂ふみ)は「私は何より、上皇様の御身体が大事にございます。上皇様の病、こたびのにわかな遷都が元であるならば、私は・・・」と遷都したことに対して苦言を呈する。
公卿たちも、源氏に加えて諸国の寺社にも謀反の兆しがあることを憂い、平安京に還都するべきではないかという声が多く上がる。
平家の棟梁・宗盛(石黒英雄)は一門を呼び、清盛に対して寺社までもが旧都を狙っているとして還都を願い出る。
清盛は「皆の生きた証が、この福原の都なのじゃ。捨てる訳にはいかぬ」と激怒するが、宗盛は「私は重盛の兄上とは比べ物にならぬ出来の悪い男。つたない棟梁でござりましょう。それでも私は、平家の棟梁でございます。平清盛の子でございます。私が一門の役に立てることがあるとすれば、今この時、父上をお諫めすることにございます。還りましょう、父上。平安京に、六波羅に。平家がすっかり孤立してしまわぬうちに」と泣きながら訴える。
清盛は一門の顔を眺めるが、みな何も言わず清盛をじっと見つめ、それを見た清盛は黙って去っていく。
安徳天皇の新内裏が出来上がり、五節の舞が献上されるが、その後まもなく平安京へ還都することを清盛は決断する。
清盛は、本拠として10年住んだ福原を離れることになり、夢見た福原京はわずか半年で終わった。
京の六波羅で、清盛は一門に対して謀反人を討伐することを命じていくが、妻・時子(深田恭子)と二人っきりになると「何をしてきたのかと思うてな、この何十年。武士の世は何であったかと思うてな」とつぶやき、物思いにふける。
一方で鎌倉では、源頼朝(岡田将生)が配下の武士に戦の恩賞として土地を与える仕組みづくりを始めていた。
ある日、頼朝の元を源義経(神木隆之介)と弁慶(青木崇高)が訪ね、頼朝に対してなぜ挙兵を決心したのかと尋ねる。
すると頼朝は「一言では難しいが、つまるところは、亡き父上の武を証し立てるため」と答え、父・義朝と清盛とのこれまでのいきさつを話し、「今は武士の世とは名ばかりの平家の世じゃ。私は力で平家を倒す。その上に就く。今度こそ、真の武士の世を」と力強く語る。
それを聞いた弁慶はとても感銘し、清盛に関する昔話として、かつて清盛が神輿にわざと矢を引いた時のことを話す。
驚く頼朝だったが、その当時鳥羽上皇(三上博史)が「平清盛、そちこそが神輿を射抜いた矢そのもの。白河院や朕が乱しに乱した世に報いられた一本の矢じゃ」と言ったことを聞き、頼朝は「朝廷に入り込み、その仕組みそのものを壊し、変え、そしられながらも新しき都を作る。それらは全て・・・」とつぶやき、自分の今後の生き方についてを思い定める。
清盛の五男・重衡(辻本祐樹)は、南都(現在の奈良)の僧兵の鎮圧に向かうが、風の強い夜だったこともあり、東大寺の大仏など寺々を焼き尽くしてしまうこととなった。
公卿方に激震が走り、藤原兼実(相島一之)は「世に平家がある限り、天下の乱れは収まれますまい」と嘆く。
知らせを聞いた清盛も「それ(強風が吹いた)こそが、もはや運が尽きたという事よ。天は平家を見放したのじゃ」とつぶやく。
そんな中、戻ってきた重衡は「南都を攻め、悪僧の首四十九を討ち取り、また一人を生け捕りにしましてござります。思いがけず火が風に煽られ、伽藍を焼き尽くしてしまいましたが、なに、天もお許しくださりましょう。我らが焼いたは仏にあらず、仏を盾に狼藉を働く不埒者どもにござります。これを抑えられるは、我ら平家のみ。どこにも劣らぬ強き武門の我らをおいて他にはおらぬと世に示しましてござりまする」と嬉しそうに報告する。
それを聞いた清盛は、あっけに取られながらも「重衡、ようやった」と声を掛け・・・
というような内容でした。
いやぁ・・・五節の舞の時の音楽&清盛のこれまでの回想シーンに涙でした
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そのことと併せて、清盛演じる松山君が、この一年本当に素晴らしい芝居をしたんだなぁ~と、心底思いました。
声といい、面構えといい、目といい・・・(皮膚はメイクとしても)青年期と今とでは、全く違ってしっかりと老いていて、そのことに対しての感動も相まって、本当に素晴らしいシーンだったなぁ、と。
最終シーンにしても良いんじゃない!?という位、胸にグッときました。
清盛が神輿に矢を射たのは、第13話(こちら)でしたね。
この時の私の感想を読むと、神輿に矢を射たことについても、鳥羽上皇の言葉についてもよく分からなかったようなことが書いてあるのですが、今回になってやっとその時に言いたかったことが分かったというか・・・
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そして、その時に書いた清盛の行動の「私なりの解釈」として
・神輿を盾に盾突く僧侶たちの行為を許せないと思っていた
・神輿自体に、清盛は神聖なものを感じず、だから恐れずに矢を射った
とあるのですが、何だか今回の南都を焼き討ちした重衡の言い分と似ていますね
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「神輿一つ」と「大仏を含む南都の寺々の焼き討ち」とは損害の大きさが違うのですが、同じ「神仏」を恐れない心は血筋なのか・・・
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でも、最悪なタイミングでした・・・
(奈良時代からの建造物が失われたのは、本当に痛いですし・・・)
やはり主人公がどんどん没落している様を観るのは辛いです。
今、プレマップで「最終回に向けた2分間予告」を放送しているのですが、その2分間を映像を観ても悲しい気持ちになります。
あと残り2話も、そんな感じなのかな・・・
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