emitanの心にうつりゆくもの

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イノセンス 冤罪弁護士 最終話

2019-03-25 19:35:32 | 2019冬ドラマ
最終話(第10話) 「VS.連続殺人鬼ラスト10分法廷戦慄」

今回の2件の殺人事件も、11年前の殺人事件も、和倉楓(川口春奈)を刺した犯人も、同一人物・神津一成(武田真治)だった・・・
和倉を刺したけれども、実際は黒川拓(坂口健太郎)を刺そうとしていたのでしょうけど。
発端は、過去に自身が痴漢冤罪により有罪判決を受けて、4浪してやっと入った医学部への入学を取り消されたため。

「強いて言うなら、日本の警察や検察の問題点を浮き彫りにするためかな。
 11年前思いついたんだ、もし『コイツが絶対犯人だろう』って奴を用意してから人を殺したら、おたくらはどうするだろうと思って。
 殺す相手と犯人役をじっくり選んで、餌を仕込んで。
 半分ぐらい覚悟してたよ、どうせすぐにバレるだろうって。
 でも結果は、あっさり餌に食いついちゃって。
 で、またやった訳だ・・・(中略)・・・
 これじゃこの国から冤罪がなくならない訳だぁ。
 何もかもぶちまけられて気分爽快だよ、俺は・・・(中略)・・・
 傑作だよな、全く。
 無能な警察、検察、ざまぁみろだ!」
痴漢をしていないのに有罪判決を受けて人生がガラッと変わってしまったことには同情するけど、
だからと言って殺人を犯して、しかも人に罪を着せるなんて、絶対にやってはいけないこと
たくさんの問題が詰め込まれた真実に、何と言っていいやら・・・


警察・検察側の問題点は、拓が法廷で話していましたが
「(各現場で発見されたタバコが偽装工作と言うなら)検察側の証拠品にも同じことが言えるはずだ。
 本件で発見された血の付いたスケッチブック、11年前の事件で証拠とされた血の付いた服や靴もまた、被告人に罪を着せるための偽装工作だった可能性がある。
 状況証拠を頼りに犯人像を構築することほど、危険で愚かしい行為はない。
 捜査機関が証拠を意図的に取捨選択し、ましてや証拠の隠ぺいを行うなど、言語道断だ!
 冤罪を生み出すのは、検証能力や証拠の有無ではない。
 偏見や思い込みや、くだらないメンツ、人の心の弱さや醜さだ。
 科学捜査がどれだけ発展しようと、それを活用する人間側が腐っていては意味がない。
 必要なのは、愚直なまでに真実を追求しようとする意志だ。
 それがなければ被害者の無念も残された遺族の苦しみも本当の意味で晴らすことなどできはない」
これらの言葉に、このドラマの言いたいことが全て詰まっていたかもしれませんね。

そして
「人は過ちを犯すものです。
 だから事件が起き、時には冤罪が生まれ、多くの人が傷ついていく。
 それでも僕は、司法に絶望したくありません。
 真実を追求しようとする意志と、過ちがあった時はそれを認め、正すことのできる勇気があれば、冤罪は必ず晴らすことができると信じているからです」
という言葉で、父であり最高検察庁次長検事の黒川真(草刈正雄)の心も動き、「過ちは正す必要があるからね」と再審請求へ。


被害者遺族である東央大学物理学科准教授・秋保恭一郎(藤木直人)にも、そんな拓の思いが伝わって、
「少なくとも俺は救われた。彩花の死も彩花の愛した浅間の死も、これで悼むことができる」
と話すことができて、とても良かったです。
これまで事件が掘り起こされるたびに悲しいことを無理やり思い出させられたり、犯人だと思ってきた人物が犯人ではなく別にいるかもというモヤモヤした気持ちを抱かせられたりしていたけど、
(悲しみは消えなくても)これで一つの区切りと新たな気持ちへ向かうことができますからね。

拓と秋保の関係性が戻って良かったです。
今まで以上の関係性が生まれるかも!?
秋保は、検察庁の機関には行かずに、民間の科学捜査機関を立ち上げようとしているようですが。


裁判所の前で拓と別れて歩き出す秋保に、テレビ局の報道ディレクター・有馬聡子(市川実日子)がついていくのがとても自然すぎて、すごく面白かったです!
「なぜついてくる?」
「えっ?飲みに行くでしょ、こういう時は」
「言っとくが、俺はウーロン茶だ」
と秋保が言ったら、有馬がジーッと何か言いたげに見つめるけど無言で、
秋保も「(何だよ!)」って感じで無言で見つめ返すところが、メチャメチャ良かった!!
その後の二人も観たいです
序盤は犬猿の仲に見えなくもなかったけど、お互いに認め合っていることが次第に分かって、毎回二人の仲の裏ストーリーも進んでいたように思いました。

あとは、和倉とパラリーガル・城崎穂香(趣里)が、いつの間にか拓を取り合う(!?)仲になっているのも、面白かったです。
城崎の方が拓のことを分かっているように思うけど、拓は和倉のことを確実に気になっているような!?


このドラマ、ラストはしっかりと最初から作られていたのか、終盤戦はなかなか見応えがあって良かったのですが、
その終盤戦に向かうまでの序盤~中盤の「11年前の事件」のチラ見せ方が悪すぎたというか・・・
日9「グッドワイフ」は毎回少しずつ前進していく形で面白かったのですが、本作は毎回匂わせるけどほとんど前進がなくて、逆にイラッとすることもあったというか・・・
各キャストの演技がゲストキャストも含めてとても良かっただけに、ストーリー&演出でもっとジワジワと序盤戦から盛り上げる内容であってほしかったな・・・と、少し残念に思ったり。

あとは、盛り込んでいるものが多すぎたような。
冤罪事件の裁判に、科学的実証、親子の対立、事務所内での孤立、マスコミの在り方、11年前の事件関係者が結構多い・・・などなど、
これらが自然に盛り込まれてたらもっと面白くなったのでしょうけど、滑らかさがなかったような気がしました。
メインを「若手弁護士・拓の成長物語」とした方が見やすかったかも?


ともあれ(笑)、最終的に「彼らの今後をまた観たい」と思うような最終回だったので、
このキャストでまた刑事事件の弁護士ドラマがあったらいいな~と思いました。
各キャストは、少ない出番ながらもいい味を出していましたからね(キャストが多すぎたため、出番が少なくて気の毒に思った方が何人もいらっしゃったような)。

ということで、藤木直人さんファンなので最後まで観続けていた感はありましたが
最終的には最後まで観ていて良かったです。
________________

最後に、藤木直人さん演じる秋保准教授について。

上にも書きましたが、有馬との最後のシーンがメチャメチャ良かったです
有馬がジーッと何か言いたげに見つめるけど無言で、秋保も「(何だよ!)」って感じで無言で見つめ返すところが、とてもツボでした
すぐ切れてしまったけど、そのあとを見せてくれ!!と、すごく思いました。

あとは、秋保が拓に「だが、少なくとも俺は救われた」と言ったシーンで主題歌が流れたのが、すごくいいタイミングで、鳥肌が立ちました!!
2週連続で秋保が拓に話したタイミングで流れましたが、
先週はとても切なく聴こえたのに、今回はとても明るく聴こえて・・・。
主題歌、最近までは申し訳ないけど良さが分からなかったのですが(ゴメンナサイ!)、終盤になっていい歌なんだな~と思いました
←web拍手です。
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