エナゴの学術メモ

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めざせ、査読突破!(論文タイトル編)

2022-05-16 15:16:06 | エナゴアカデミー人気記事

いよいよ論文執筆という段階で、いきなり立ちはだかる、タイトル問題。

本文の内容にイメージが直結するような、明快なタイトルをつけること。加えて、より閲覧数を高めるために的確なキーワードを盛り込むことが肝要です。

そこで今回は、効果的なタイトルの付け方をご紹介します!
 
 
エナゴアカデミーのサイトで紹介されている例をご紹介すると、

悪い例 

A Study of the Safety and Efficacy of 10 mg X Drug as a Smoking Cessation Intervention for People who Smoke More than 10 cigarettes per day(仮訳:1日に10本以上のタバコを吸う人が禁煙介入として薬剤X 10mgを摂取する安全性と効果に関する調査研究)

長い!分かりにくい!

このタイトル中のキーワード「Smoking Cessation(禁煙補助薬)」を含む場合、喫煙者が対象の研究ということは自明ですので、People who Smoke~は不要です。

良い例

Safety and Efficacy of 10 mg X Drug as a Treatment to Aid Smoking Cessation(仮訳:禁煙補助薬X 10mgの安全性と効果)

具体的かつ明快なタイトルになりましたね!

 

ポイントとして、

良いタイトルは

  • 具体的
  • 本文への興味をそそられる、
  • 研究の核となる内容を強調している
  • キーワードが含まれる

悪いタイトルは

  • 長すぎる
  • 分かりづらい
  • 略語や専門用語が使われている
  • 同じ語句の繰り返し

ちなみに、上記のタイトルに使われたキーワード「Smoking Cessation」をGoogle Scholarで検索してみると、約116万件もヒットし、関心の高い研究分野だということがわかります。

初見の読み手を意識しつつ、スッキリと的確な表現で、査読者の心を掴みに行きましょう!


論文の査読のあり・なしの見分け方

2022-05-16 14:06:05 | エナゴアカデミー人気記事

こんにちは、エナゴアカデミーです。

今回は、読んでいる論文が「査読」を経ているのか、見分ける方法について解説します!
すぐ判断できる3つの方法をご紹介します。

① 論文の”ココ”を見る

↓↓↓ 以下のような要素が記載されている論文は査読済みだと分かります ↓↓↓


提出日、採択日(Received、Accepted、Publishedの記載)
〇その他、著者のAffiliation(組織や大学の部門名)、Methods(研究方法)、Results(結果)、Bibliography(参考文献)のセクションの有無

 


② ジャーナルのウェブサイトを見る

例えば、The New England Journal of Medicine(NEJM)のウェブサイトには、査読済みの論文を出版していると記載されています。


”About us”のページなどをチェックしてみてください。

※注意※
査読付きジャーナルに掲載された記事すべてが査読を通過しているのではないので、注意しましょう。

(例:Editorial、eLetter、Book Review、Reportなどは査読済論文ではありません)

 

ちなみに、以下の有力ジャーナル誌のAboutページには査読ありの論文を掲載していると記述があります。

The New England Journal of Medicine(NEJM)
The Lancet
Nature
Science
Proceedings of the National Academy of Sciences (PNAS)
PLOS One
Annals of International Medicine
Journal of Biological Chemistry(JBC)
The Journal of the American Medical Association(JAMA)

 

 

③ Scopusは査読済み

Scopusは査読済み文献のみのデータベースですので、Scopus経由で見つけた論文は査読ありと判断できます。

 


上記3つの方法で確認しても分からない場合は、査読つきでないことが予想されますが、検索サイトに直接「Peer Reviewed」と論文名でサーチすると、さらに情報が得られますので、確認してみてもいいかもしれません。

 

人命に直接関わるような研究の発見など、発表が急がれる論文は査読なしのオープンアクセスで投稿されることが多く、一概に【査読あり論文=より良い論文】ではありませんが、査読を経た論文が、より信頼性が担保された情報であることは確かです。しかし、一度投稿された論文が撤回された!ということも結構あります。引用する論文はチェックが必須ですね(;´・ω・)

(関連記事:過去最大の 論文撤回 が発生 - エナゴ学術英語アカデミー (enago.jp)