上野の森美術館で金魚の絵を鑑賞したあと,まだ時間があるので西洋美術館にでも行ってみようと思ったわけですが,そこまで行ってからまだ工事中で開いていないことに気が付きました。博物館に行く気分でもないし,時間もそれほどはないし。そうだ散策で時間を過ごそうと,普段あまり歩かない方向に歩きはじまました。
まずそこで発見したのが上野東照宮。
東京には就職するまでずっと住んでいて,上野には小さい頃から何回来たかわからないくらいのおなじみの町。もちろん上野そのものをじっくり散策というよりも,動物園だったり,アメ横だったり,珍しいところでは寄席だったり,それなりに目的があってのことなので,隈なく歩いたというわけではないのですが。
それにしても,上野東照宮をこの歳になってたまたま通りがかるまで知らなかったとは,驚きというよりも何か新鮮な気分です。
当然,とりあえず行ってみよう。お参りしていこう。と参道を進んで行くのですが,参道の右側に由緒ありげな五重の塔発見。帰りに見ていこうととりあえず写真だけ撮影したのですが,なぜか参道とはフェンスでしっかり区切られていて,周りに人のいる気配もない。
お参りの帰りに近くまで行ってみたら,ちゃんと説明の看板がありました。概要としては次のとおりです。
もともとは上野東照宮の五重の塔。明治初期の神仏分離,廃仏毀釈の騒動のときに,神社の所有する五重の塔は取り壊される運命にあったものを,当時の宮司がそれを避けるため上野寛永寺に渡したとのことです。上野寛永寺では場所も離れ管理しきれないこともあり,昭和33年に東京都に寄付され,現在は上野動物園の敷地の中にあり,旧寛永寺五重塔として国の重要文化財に指定されている
ということのようでした。
いろいろ歩いてみると,まだまだ知らないことや発見があって,小さい頃から母の影響でファンだった永六輔さんの,正確な言葉はあやふやですが,「知らない街角を曲がると,それはもう旅」といった言葉が思い出されます。