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(アリス) "海の路"ですか。・・・・それなら、昔のヴェネツィア共和国がアドリア海の東側に領土を持った理由が、地図を見ているとなんとなくわかるような気がします
(アテナ) (アリスに微笑みかけて) アリスちゃんの考えを聴いてみたいな?
(アリス) (真剣な表情になって) はい、アドリア海の東側って海岸線がとても入り組んでいるじゃないですか?これって、例えば、海の上で嵐にあったときも避難できる場所が多そうですし・・・。ゴンドラをこぐときも開けた場所で風が強くなると操舵が難しくなりますし、そんなとき、風を遮るものがあったらいいのに、なんて思ったりします。
(アテナ) とっても、アリスちゃんらしい考えね。たぶん、アリスちゃんの考えているとおりだと思うわ。それにね、アリスちゃん。交易に向いている海路は、海賊にとっても、実に都合が良かったの。悪天候から身を守るために避難出来る場所があるということは、裏を返せば商品を奪った海賊が逃げ込める場所もたくさんあるということなのだから。ヴェネツィアは共和国が続いている間、海賊から自国の船を守るために、絶えずアドリア海のパトロールを行ったそうよ
(アリス) そうなんですか・・・・。 アテナ先輩と話していて、一つ気がついたことがあります。ヴェネツィアの歴史って、ヴェネツィアの人たちの思いとか考えがにじみ出ているじゃないですか。歴史ってただ暗記すればいいのではないような気がしてきました・・・・。例えば、教科書に書いてある出来事がなぜ起こったのか、そういうことを考えながら学んでいく必要があるのではないでしょうか
(アテナ) うふふ・・・。それとね、イタリア中世史の主人公となるジェノバやフィレンツェはヴェネツィアとは全く対照的な歴史をたどるから、それらの国がヴェネツィアと何が違っていたのか比較しながら理解していくことも大切ね
(アリス) あの、アテナ先輩、ついでといっては何ですが・・・・。先ほど見せていただいた地図を見て、もう一つ気がついたことがあります
次回に続きます