(アリス) むむむ・・・・・
(アテナ) お茶を淹れてきたのだけど、アリスちゃんもどう?
(アリス) ありがとうございます、アテナ先輩。ちょっと一息入れることにします
(アテナ) それにしてもずいぶん集中していたわね。学校のお勉強?
(アリス) はい、近いうちに学校で歴史の試験があるのですが、マンホームの中世のイタリア史が難しくて・・・・。ヴェネツィアの歴史を知ることはウンディーネとしても必要なことだと思うので、ちょっとがんばってみようと思うのですが。
(アテナ) 中世のイタリア・・・・。ねぇ、アリスちゃん、ちょっと見てほしいものがあるの
(アリス) はい、何でしょうか?
(アテナ) えっと、これね



(アリス) この挿絵、中世のイタリアの勢力分布って書いていますね。
(アテナ) そうね、14,15,16世紀のものなんだけれど、見ていて何か気がつくことはない、アリスちゃん?
(アリス) えっと・・・・
まず、14世紀の挿絵はまるでパレットの中の絵の具みたいにいろいろな国がありますね
それから・・・
ヴェネツィアだけはアドリア海の東側に領土がありますね
(アテナ) いいところに気がついたわね、アリスちゃん。
マンホームのヴェネツィアが昔、海洋国家だってことは、知っている?
(アリス) はい、最近、学校の授業で習いました。確か、中近東や北アフリカと交易をしていたんですよね
(アテナ) そうそう。遠くの国と交易をするには航路の安全が必要。昔のヴェネツィアがアドリア海の東側に領土を持っていたのは、自国の船がアドリア海を安全に通るために必要なう”海の路”を維持するためだったからも知れないわね。
次回に続きます